借入をしてのアパート建築は、今も相続税対策として有効なのか?

2022年10月27日 飯野悠美子

私は借入をしてのアパートを建築を、よほどの例外を除き、相続税対策としてオススメをしていません。かなり時代遅れな相続対策というのが、東京で資産税を専門としていた税理士としての私のイメージです。アパート経営は、あくまでも事業として捉えてください。儲からなければ、やめた方がいいです。そして、儲かるかどうかすらわからないであれば、なおさらです。

例えば、バブルの時代までのようにアパートの賃料によって、借入金の返済が、容易であった時代には、有効な手段だったでしょう。何も考えなくても、よかったのかもしれません。今のような、海外はインフレで、日本はデフレから脱却したのかどうかもわからないという不確実な状況で、多額の借入金をするのは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

特に注意が必要なのは、アパートを建てようと営業をされた際に税理士が作成したシミュレーションを提示された時です。

そこに、修繕費は載っているでしょうか?

最後に処分するときの解体費はどうなるのでしょうか?

アパートを解体しなければならなくなった時の立ち退き料は載っているのでしょうか?

良心的なアパートメーカーであれば、修繕費くらいは乗っているかもしれません、しかし、通常は他はまず、載っていないでしょう。大きなマイナスになってしまうからです。つまり、厳密にシミュレーションすると、ほとんどマイナスということが多いのです。

既にアパートを持っている方にとっては、アパートの賃貸収入は、相続税の納税資金獲得手段として有効なものではあります。

しかし、これからアパートを相続対策として建てるというのはやめておいた方が賢明と、私は考えています。これは、私の私見ですから、事実とは異なるかもしれません。本当に、相続対策になって、儲かるアパートというものも、あるかもしれません。

もし、アパートを建築するならば、事業を行うのですから、シビアな視点で、儲かるかどうかを考えてください。アパート経営で儲けている経営者もたくさんいます。

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