家族信託がオススメできるお客様 

2022年10月28日
Posted in コラム
2022年10月28日 飯野悠美子

ちょっと前に流行った家族信託についてです。

私の理解では、オススメできるお客様はかなり限られます。

信託については、2回ほど流行が来ています。少し前に、2回目の流行が過ぎ去り、ビジネスチャンスとして、一部では、いまだに家族信託が利用されています。

私は、新しいことを勉強するのが好きなので、2回ともガチで、根本的なところまで勉強しました。1度目の流行の時は、まだ大学院生であり、実務がイメージできず、そのため新信託法が難しすぎて理解することに挫折しました。2回目は、最後につとめていた事務所に勤務中に来ました。そのときは、気合を入れて、家族信託はもちろん信託に関するほぼ全ての書籍を購入して、断片的な知識をつぎはぎして、なんとか理解できました。しかし、得られた結果は、「あまり使えるものではない」というものでした。偉い大学の先生にも、こういう理解であっていますか?、と確認もしました。(かなりのリスクをとって、特殊な使い方をすれば、大きく税金を減らすことができますが、いわゆる総則6項で否認される可能性が高いです。複数の登記が必要なので、そんなことをすれば、調査に来てください、と言っているようなものです。)

私の理解では、家族信託は、ちょっと便利になった遺言(プラスちょっと便利な後見制度)くらいのものです。特に大きなメリットがあるというわけではなく、その反面、法的に非常に複雑です。

ケースとして非常にフィットし、ちょっと便利な遺言(プラスちょっと便利な後見制度)であっても、その便利なところに非常に高い価値が、そのご家族にある場合にはオススメできます。ただし、登記費用60万円ほどを、何の痛みもなく払えるほどの財産のある方であることが前提です。

つまり、どうしても家族信託を利用しなければ解決できない課題があるご家族にのみ、オススメできます。

私は今まで1度だけ、家族信託をオススメしたことがあります。信じられないくらい儲かっている会社の社長にです。その社長は、いつも税理士の先回りをするくらいリサーチ力のある方なのですが、既に家族信託について司法書士に相談済みであり、登記費用が高いということで辞めた、ということでした。

開業当初、つぶれそうな会社で、家族信託をしたい、事業承継税制も使いたいという会社からのオファーがありました。この2つを実施したら、一般的には、1,000万円近い専門家に対する報酬が必要になってきます。これよりも2桁安い料金で、この2つをやってほしいというオファーだったので、私は断りました。他の税理士にしたと聞きましたが、今、どうなっているのか、非常に恐ろしいです。おそらく、事業承継税制については、赤字で、対処していると思います。そちらは良いのですが、司法書士報酬にお金がかかった家族信託の効果については、どのように説明しているのか?非常に興味があります。

私はビジネスで税理士をやっているので、これから儲かっていく会社、儲かる可能性のある会社にしか興味がありません。つぶれそうな会社ならば、今ある技術や知識を、別の儲かる分野に転換することを真っ先に考えるべきです。家族信託や事業承継税制は、信頼できる税理士をつけて、提案をされたら、それから検討すべきことだと思います。税理士は、必要であれば、必ず提案してきます。提案がないということは、その会社に向かない制度であると、税理士が判断したということです。

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