国は、110万円まで非課税で有名な歴年贈与を、なんとかして、なくそうと、平成31年から検討しているようです。贈与と相続における負担を一体にしたいようです。
その理由にはいくつかあります。
1 財産を相続する年齢が高齢になっているため若年世代に早めに財産を渡したいという理由
2 格差の固定化が進んでいるので、これを防止したいという理由
3 その他
具体的にどのように変わってしまうのか、予想されるシナリオは二つほど考えられます
1 持ち戻しの期間が長くなる。つまり、贈与を受けても、その財産は相続財産に加算されてしまう期間が、今は3年ですが、それよりも長くするというシナリオです。
2 歴年贈与の制度は維持しつつ、毎年贈与をするようなことを制限する。これができれば、富裕層だけが、毎年家族中に110万円ずつ贈与しつづけて富裕層としての一族を維持することを防止し、格差の是正につながります。
今のところ、110万円の暦年贈与の制度は維持されています。しかし、平成31年からの税制改正大綱から、毎年、必ず税制改正大綱に記載されており、令和3年税制改正大綱の「本格的な検討を進める。」や令和4年の税制改正大綱の「格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。」など、かなり語気が荒いです。
これは、そのうち本格的な改正がくるだろうな、とは思っているのですが、そんなことを考えてもしかたないので、現行制度で、可能な限り相続税を軽減する方法として、贈与は有効に利用すべきでしょう。