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ふるさと納税のデメリットとは?知っておきたい8つの注意点

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

ふるさと納税は、寄付によって地域を応援しながら特産品も受け取れ、税金も控除される制度として広く知られています。テレビCMやインターネット広告でも頻繁に紹介され、その人気は年々高まっています。

しかし、制度を利用するうえで知っておくべき“デメリット”や注意点も存在します。
本記事では、ふるさと納税の注意点を整理し、制度活用前の判断材料としてご紹介します。


1 ふるさと納税の仕組みをおさらい

ふるさと納税とは、居住地以外の地方自治体に「寄付」することで、寄付額の一部が税金から控除される制度です。寄付した自治体からは、お礼として地域の特産品などの返礼品がもらえることも魅力の一つです。

「ふるさと納税」のメリットと仕組み


2 ふるさと納税のデメリット・注意点

① 出費が先に発生する

ふるさと納税は税金が控除され、メリットを感じるのは翌年以降です。つまり、寄付をしたその時点では実費で支払いが発生します。所得税の控除は寄付した年の3月に確定申告を通じて、住民税の控除は翌年度6月以降に反映されます。

■キャッシュフローに余裕がない時期は注意が必要です。

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② 手続きに手間がかかることがある

  • ■「ワンストップ特例制度」は年間5自治体までが対象。

  • ■医療費控除や株式売却がある人は、確定申告が必要となります。

  • ■寄付ごとの「受領証明書」の保管・整理も必要。

🔧 特に複数の自治体に寄付した場合は、自己管理が重要です。

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③ 必ず2,000円の自己負担が発生する

税金控除の対象となるのは、寄付額-2,000円です。たとえ上限内の寄付であっても、2,000円分は必ず自己負担になります。

■お得な制度ですが、完全に“無料”で返礼品がもらえるわけではありません。


④ 所得が低いと控除効果が得られない

ふるさと納税は「納める税金の中で控除される」仕組みです。所得が少ない人や、もともと税金をほとんど納めていない人は、控除の恩恵が受けられない場合があります。

■専業主婦や学生など、納税額が少ない方は注意が必要です。


⑤ 控除額に上限がある

寄付額のすべてが税額控除されるわけではありません。年収や家族構成などにより控除上限額が決まっており、超えた分は自己負担となります。

■寄付前に【控除額シミュレーター】を使って、上限額を事前に確認することが重要です。


⑥ 返礼品が一時所得として課税対象になることも

返礼品は原則として「一時所得」に分類されます。ただし、年間50万円までは特別控除があり、通常は課税されることはありません。

ただし、保険金の満期受取や解約返戻金など、他の一時所得と合算して50万円を超える場合は注意が必要です。


⑦ 寄付先選びに迷いやすい

現在、ふるさと納税の対象自治体は約1,800。返礼品の種類も非常に多く、どこに寄付するか迷うケースが多くなります。地域性や返礼品の質・生産者の声など、寄付の目的や応援したい自治体を明確にすることが大切です。


3 制度の特性を理解し、上手に使いこなそう

ふるさと納税は、制度の仕組みと注意点を正しく理解したうえで利用すれば、非常にお得な制度です。
ただし、上限額の把握、控除対象者の確認、書類管理など、利用者の責任で行うべき管理項目が多いのも事実です。


4 まとめ ふるさと納税のデメリットを知って納得の制度活用を

ふるさと納税のデメリット一覧
デメリット内容
出費が先に発生控除は翌年以降のため、先に支出が必要
手続きが必要確定申告やワンストップ特例制度など、事務手続きが必要
2,000円の自己負担控除額とは別に必ず自己負担2,000円が発生
所得が低いと効果が薄い控除限度額が低く、実質的な節税にならない場合も
減税ではない「税金が戻る制度」ではなく、控除による税額調整
控除上限あり寄付しすぎると控除されない部分が出て損することも
一時所得の課税返礼品が多数の場合、一時所得の課税対象となる可能性あり
寄付先選びに迷う選択肢が多く、比較検討が難しい(情報過多)

 

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飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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【中小企業・個人事業主向け】少額減価償却資産の3つの特例を活用しよう

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

事業で使用するパソコンや什器などの資産を購入した際、一定額以上であれば通常は「減価償却」によって数年かけて経費化します。しかし、取得価額が比較的少額の固定資産については、購入した年に全額を経費にできる特例制度が用意されています。

本記事では、中小企業や個人事業主が活用できる3つの少額減価償却資産の特例について、それぞれの制度概要、適用条件、メリット・デメリットを解説します。


1 10万円未満の少額減価償却資産:誰でも使える基本の特例

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制度の概要

取得価額が10万円未満の資産は、購入年度に全額を即時に経費計上できます。

特徴

10万円未満の少額減価償却資産の税務上の取扱い

項目内容
対象者中小企業・大企業問わずすべての事業者
経理処理消耗品費または減価償却費で処理
年間限度額なし(件数制限なし)
添付書類申告書等への添付不要
償却資産税非課税(固定資産税の対象外)
貸付資産原則除外(ただし、事業の主要目的に供する場合は対象)

2 30万円未満の特例:中小企業向けの強力な即時償却制度

u8922936522_Japanese_businessman_receiving_small_office_equip_2623e4f9-297b-4fec-a13a-d94e112fd6cd_3制度の概要

30万円未満(※)の資産は、購入した年度に全額を損金算入できます。中小企業支援のための制度です。

※30万円未満という金額に消費税が含まれるかどうかは、経理処理の方法によって変わります。

特徴

少額減価償却資産の特例(30万円未満)の取扱い
項目内容
対象者青色申告をしている中小企業者・個人事業主
(資本金1億円以下などの要件あり)
年間限度額300万円(12ヶ月の事業年度基準)
※期首取得・合計で判定
添付書類
  • 法人:別表十六(七)への記載
  • 個人:青色決算書の備考欄 等に記載
償却資産税課税対象(固定資産税として申告必要)
貸付資産原則除外
ただし、事業の主たる目的で使用するリース資産等は例外

ポイント

  • ■即時償却により、利益が出ている年度の節税に有効

  • ■年間限度超過分は減価償却で処理が必要


3 20万円未満の一括償却資産:費用を3年間で分割

制度の概要

20万円未満の資産をまとめて取得し、3年間で均等償却する制度です。全額を初年度に落とす必要はなく、費用を分散できます。

特徴

一括償却資産の税務上の取扱い(10万円以上20万円未満)

項目内容
対象者すべての法人・個人事業主が対象(中小企業に限られない)
償却方法取得価額 ×(事業年度の月数 ÷ 36) を毎年償却(3年均等償却)
添付書類法人税申告書別表十六(八)などへの記載が必要
償却資産税非課税(固定資産税の対象外)
貸付資産原則除外(例外なく対象外)

ポイント

  • ■個別管理不要、資産を合計して一括処理

  • ■償却資産税回避を重視する場合に有利


4 中小企業が選ぶべき特例はこれ!

取得価額ごとに最適な選択肢を選ぶことで、節税効果を最大化できます。

取得価額ごとのおすすめ減価償却特例と選定理由

取得価額おすすめの特例主な理由
10万円未満10万円未満の即時償却制限なし・書類不要・その年に全額費用化が可能
10万~20万円未満状況に応じて選択利益があるなら30万円未満特例
赤字なら一括償却資産による分散処理が有利
20万~30万円未満30万円未満の特例中小企業限定/年間300万円まで即時償却が可能で節税効果大

5 制度選択の注意点と申告の実務

  • ■特例の要件を満たさないと税務調査で否認リスク

  • ■貸付資産の扱いや消費税の計算方法に注意

  • 正確な台帳管理・申告書添付が必須

  • ■繰越欠損金がある場合は即時償却の節税効果が薄れる可能性も


6 まとめ 少額資産の特例を使いこなしてスマートに節税!

少額減価償却資産に関する3つの特例比較
特例上限対象償却方法償却資産税
10万円未満無制限すべての事業者即時償却非課税
30万円未満の特例年300万円中小企業者等(青色申告)即時償却課税
一括償却資産制限なしすべての事業者3年均等償却非課税

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静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

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税務署の申告書控えへの収受日付印が廃止!知っておくべき対応策

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

2025年(令和7年)1月1日から、税務署に提出した申告書や届出書等の「控え」に収受日付印(いわゆる受付印)を押さない運用が全国で始まりました。

これまで収受印は、提出した事実を証明する“証拠”として多くの場面で活用されてきました。特に紙で提出していた中小企業や個人事業主にとっては、大きな実務的変化です。

本記事では、この制度改正の概要と影響、そして今後の提出記録の取り扱いについて解説します。

リンク 国税庁PDF 申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A 


1 どんな変更?収受日付印の押なつが廃止

対象となる書類

国税庁、国税局、税務署に提出するすべての文書が対象です。
申告書、申請書、請求書、届出書など、あらゆる税務文書に影響があります。

実施時期

2025年1月1日以降、全国の税務署で一斉に実施されています。

変更の内容

これまで税務署窓口や郵送で提出した際、控えに押されていた「収受日付印」や「税務署名」が、原則廃止されました。


2 なぜ廃止された?背景にある「デジタル化」

今回の変更は、e-Tax(電子申告)の普及と税務行政の効率化を目的としています。

国税庁は、紙での事務処理を減らし、行政負担・納税者の負担を軽減する方向で制度改革を進めています。今回の収受印廃止もその一環といえます。


3 収受印の代わりになるものは?

 1. e-Taxの受信通知

e-Taxで提出した場合は、メッセージボックスに届く「受信通知(受付通知)」が提出事実の証明となります。

  • ■受付番号

  • ■提出者名

  • ■提出日

これらが記載されており、従来の収受印の代替となるものです。

 2. リーフレットの交付(紙提出者向け)

当面の間、紙で提出した人には、希望により税務署で「リーフレット」が配布されます。

  • ■提出日

  • ■提出先の税務署名(または業務センター名)

が記載されており、提出の証拠書類として利用できます。

※郵送提出時も、切手付き返信用封筒を同封すればリーフレットが返送されます。

収受印リーフレット


4 紙提出の場合の提出証明手段

① 申告書等情報取得サービス(所得税・青色決算書等のみ)

  • ■書面で提出しても、マイナンバーカードがあればe-TaxでPDFを取得可能

  • ■直近3年分が対象

  • ■所得税・青色申告決算書・収支内訳書が対象

② 税務署での閲覧(無料・写真撮影可)

  • ■窓口申請に限る

  • ■申請後その場で閲覧(郵送・オンライン不可)

  • ■写真撮影は可能

③ 保有個人情報の開示請求

  • ■内容確認および写し交付(取得まで約1か月)

  • ■窓口申請(手数料300円)またはe-Tax申請(200円)

  • ※法人の申告書には利用不可

④ 納税証明書の交付

  • ■所得や納税額の証明書は取得可能(提出日確認には不向き)

  • ■税務署窓口(400円/1枚)またはe-Tax(370円)


5 中小企業・個人事業主への影響と対応策

 銀行融資、補助金申請、保育所・奨学金などの収入証明で不便に

提出証明ができないと、「本当に出したのか?」という問題になる恐れがあります。

 必要な対応策

対応内容説明
e-Taxの活用電子提出に移行し、確実な記録管理を行う
リーフレットの保管当面は紙提出でも提出証明が可能
提出記録の整備控えに自分で提出日を記録/写しをスキャンして保管
郵送の工夫簡易書留・特定記録など記録が残る方法で提出

6 e-Taxへの移行を今こそ検討すべき理由

  • ■24時間提出可能

  • ■交通費・郵送費ゼロ

  • ■過去の申告情報の保存・管理が容易

  • ■控えも即時にデータで取得可能

■令和7年以降は電子申告への移行が、ますます現実的な選択肢となります。


7 まとめ 紙提出は証拠保全の工夫が必要。電子化への転換期に

税務署の収受印廃止は、小さな変更のように見えて、実務や証明手段に大きな影響を及ぼす制度改正です。

  • ■申告控えの保管と証明方法の見直し

  • ■電子申告への移行準備

  • ■社内の文書管理ルールの更新

これらを早めに進めることで、今後のトラブルや対応の負担を未然に防ぐことができます。

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静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

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配当金を受け取ったら?確定申告と有利な課税方法の選び方

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

新NISAの導入や株式投資の普及により、「確定申告が必要なのか?」「どの課税方法が有利なのか?」といった疑問を持つ方も多いと思われます。

本記事では、配当金を受け取った際の確定申告の要否と、選択可能な課税方法の特徴と選び方を解説します。


1 配当金には税金がかかる:基本をおさらい

株式の配当金を受け取った場合、税法上「配当所得」として扱われます。
課税方法は上場株式と非上場株式で異なりますが、いずれも税金が課される点に注意が必要です。

上場株式の配当金

  • ■所得税・復興特別所得税:15.315%

  • ■住民税:5%

  • ■合計:20.315%(源泉徴収済み)


2 NISA口座の配当金は非課税(ただし条件あり)

NISA口座で受け取った配当金は非課税となります。
ただし、「株式数比例配分方式」を選択していることが条件です。

「株式数比例配分方式(かぶしきすうひれいはいぶんほうしき)」とは、株式の配当金を証券口座ごとの保有株式数に応じて、証券会社を通じて受け取る方式のことを指します。

確認ポイント:

  • 証券会社で比例配分方式を選んでいないと、配当金は課税口座に払い出され、非課税とならない場合があります。


3 上場株式の配当金:選べる3つの課税方法

上場株式の配当金については、次の3つの課税方法から選ぶことができます。

① 申告不要制度(源泉徴収のみ)

最もシンプルな方法で、確定申告は不要。配当所得は合計所得金額に含まれません。以下の⓶③と異なり、社会保険料への影響が基本的にないため、社会保険料の増加が気になる方はこの方法がオススメです。

メリット

  • ■手続き不要、扶養や控除条件への影響なし

デメリット

  • ■損益通算できない

  • ■人によっては税率が割高となる可能性あり


② 総合課税(配当控除を利用)

配当金を他の所得と合算し、累進課税により税額が決定されます。配当控除が使えるのが特徴です。

配当控除の例(所得1,000万円以下の場合)

  • ■所得税控除率:10%

  • ■住民税控除率:2.8%

適している人

  • 配当控除の恩恵が大きい人

注意点

  • ■合計所得に含まれるため、扶養控除や保険料に影響【注意】

  • ■所得税と住民税で異なる課税方法を選ぶことは令和5年分以降不可


③ 申告分離課税(損益通算できる)

配当所得を他の所得と切り離して申告し、一律20.315%で課税されます。

メリット

  • ■株式譲渡損失と損益通算が可能

  • ■譲渡損失は3年間繰越控除可能

デメリット

  • ■総合課税と違い配当控除は使えない

  • ■合計所得に含まれるため他の税制等に影響【注意】


4 課税方法の選び方と判断基準

株式等の課税方法と選択のポイント
課税方法適しているケースメリットデメリット
申告不要制度扶養控除を守りたい人、申告が面倒な人手間がかからない/所得に含まれないため扶養に有利控除なし・損益通算や損失繰越ができない
総合課税配当控除を活用したい場合配当控除の適用/税率が低くなる可能性あり所得が増え保険料・住民税・扶養判定に影響
申告分離課税株式譲渡損との通算・繰越控除を利用したい場合配当と譲渡の損益通算・損失繰越が可能配当控除が使えない/所得増により保険料等に影響

5 まとめ 配当金の確定申告、迷ったら「損益通算」「扶養控除」「配当控除」の影響で判断を

配当金の課税は一見シンプルですが、ご自身の所得状況や保有株式の状況によって大きく節税効果が変わります

  • ■NISA口座は非課税(要「比例配分方式」)

  • ■所得控除・扶養・保険料などに影響が出る可能性あり

  • ■損益通算したい場合は申告分離課税が基本

 

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18歳成年 成年年齢引き下げが相続税・贈与税に与える影響とは?

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

2022年(令和4年)4月1日より、民法の改正により日本の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これは明治時代以来、およそ140年ぶりの大きな法改正です。

この変更により、18歳以上であれば親の同意なく契約が可能となり、社会的・法律的責任を負う年齢のハードルが下がりました。
そしてこの影響は、相続税・贈与税などの税制にも及んでいます。

本記事では、成年年齢引き下げに伴う相続税・贈与税への主な影響について、実務上の注意点とともに整理します。


1 成年年齢引き下げで何が変わったのか?

成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、若年層は次のような契約や行為を親の同意なく単独で実行できるようになりました。

  • ■携帯電話やクレジットカードの契約

  • ■賃貸住宅の契約

  • ■ローン契約 等

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2 税制に与える5つの主要な影響点(相続税・贈与税)

① 相続税の未成年者控除の対象年齢が「18歳未満」に

相続人が未成年の場合、相続税から控除できる「未成年者控除」の対象年齢が、20歳未満 → 18歳未満に引き下げられました。

控除額の計算式:

(18歳に達するまでの年数)× 10万円

例:17歳で相続した場合 → 1年分 × 10万円 = 10万円の控除
※これまでの制度では同じケースで30万円控除されていたこともあるため、控除額が減少する傾向に注意が必要です。

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② 遺産分割協議に18歳から単独で参加可能に

これまで、未成年者は親権者の代理がなければ遺産分割協議に参加できませんでした。親も共同相続人の場合、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要でした。

しかし改正後は、18歳以上であれば法定代理人なしで協議に単独参加できます

これにより、家庭裁判所の関与が不要になる場面が増え、遺産分割手続きの迅速化が期待されます。


③ 相続時精算課税制度の年齢要件も18歳以上に

この制度は、一定の贈与額まで贈与税を納めず、相続時に精算する制度です。これまでは「贈与を受ける側が20歳以上」が要件でしたが、現在は18歳以上となっています。

  • ■適用開始:2022年4月1日以降の贈与から

  • ■年齢判定基準:贈与年の1月1日時点

この改正により、より早い段階で制度活用を検討できる環境が整いました。


④ 贈与税の「特例税率」が18歳から適用可能に

父母や祖父母から子・孫へ贈与した場合に使える特例贈与税率(低率課税)の年齢要件も、「20歳以上」から「18歳以上」に変更されています。

この特例は、一般贈与税率(最高55%)よりも税負担が軽くなります。


⑤ 住宅取得資金の贈与税非課税枠も「18歳以上」が対象に

直系尊属から住宅資金の贈与を受ける場合、一定額まで贈与税が非課税になる特例も、年齢要件が「18歳以上」に改正されています。

  • ■年齢判定基準:贈与年の1月1日時点

  • ■適用開始:2022年4月1日以降の贈与

マイホーム取得を支援する重要な制度であり、早期の資金計画の立案に寄与します。


⑥ 結婚・子育て資金一括贈与の非課税特例も18歳以上に

祖父母等から結婚・子育て資金として最大1,000万円まで贈与税が非課税になる特例も、年齢要件が変更されています。

  • ■改正前:20歳以上50歳未満
  • ■改正後:18歳以上50歳未満
  • ■年齢判定基準:贈与年の1月1日時点
  • ■適用開始:2022年4月1日以降の贈与

結婚や子育てのタイミングでより早期からの資金援助が可能となりました。

3 まとめ 18歳成年時代における相続・贈与の注意点

成年年齢の引き下げは、税務実務にも大きな影響を及ぼします。特に以下の点にご注意ください。

  • 未成年者控除の減額(控除額が小さくなる)

  • 遺産分割協議の単独参加が可能に(18歳以上)

  • 各種贈与税特例の年齢要件緩和(18歳から適用可)

相続や贈与の時期を検討される際は、これらの改正点を踏まえたうえで、年齢判定の基準日(1月1日)や適用条件を再確認することが重要です。

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大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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【中小企業向け】【2025年4月改定】雇用保険料率が引き下げに

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。

2025年(令和7年)4月1日より、雇用保険料率が改定されることが厚生労働省より正式に発表されました。今回の改定では、労働者・事業主の双方で負担する雇用保険料率が引き下げられます。これは、企業の人件費管理に直接関わる重要な変更です。

この記事では、改定の背景、具体的な変更内容、そして給与・賞与への適用タイミング、企業として必要な実務対応について、簡潔かつ正確に整理します。


1 改定の背景:なぜ引き下げられるのか?

雇用保険料率は毎年、制度の財政状況や雇用環境を踏まえて見直されます。2025年度の引き下げは、コロナ禍に対応するために導入されていた一時的な特例措置が終了し、雇用保険財政の健全化が進んだことを背景としています。

企業にとっては、雇用維持に向けた支援策からの正常化の流れともいえ、負担軽減が実現するものです。

参考として雇用保険料率の推移(一般の事業)を挙げます。

  • ■令和4年度:1.35%(年度途中で1.55%に引き上げ)
  • ■令和5年度:1.55%
  • ■令和6年度:1.55%(据え置き)
  • ■令和7年度:1.45%(引き下げ)

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2 改定後の雇用保険料率(令和7年度)

以下は2025年4月1日~2026年3月31日に適用される保険料率の一覧です。事業の種類ごとに違いがあるため、該当業種を正しく確認しましょう。

(出典:厚生労働省)

 


3 企業が取るべき対応策

雇用保険料率の引き下げは歓迎されるニュースですが、実務としては以下の対応が不可欠です。

① 給与計算システムの更新

使用中の給与計算ソフト、Excelテンプレート等で保険料率を手動入力している場合は、必ず更新しましょう。

② 人件費の再計算

会社負担分も引き下げとなるため、年間予算に余裕が生まれる場合があります。その分を賞与や福利厚生などに再配分することも検討に値します。

③ 従業員への周知

給与明細上の控除額が変動するため、労使間の不安防止のためにも、社内通知や掲示での周知が必要です。


4 据え置きとなる料率も確認

なお、以下の料率については令和7年度も変更はありません。

  • 労災保険料率:業種により異なり据え置き

  • 子ども・子育て拠出金率:0.36%(前年と同様)


5 まとめ 早めの準備と制度理解が鍵

雇用保険料率の改定は、年に一度の制度変更とはいえ、給与・賞与の実務に直結します。正確なタイミングで新料率を適用するには、締日・確定日を正しく把握することが最も重要です。

また、社内外の信頼を得るためにも、制度変更についての丁寧な説明と事前準備を欠かさないようにしましょう。

 

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飯野明宏税理士
この記事を書いた税理士

飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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