目次 1 邦貨換算とは?〜外貨を日本円に直す手続き 2 邦貨換算の基本ルール【一覧表】 3 TTBとTTSの違いとは? 4 どの金融機関の為替レートを使うか? 5 死亡日に相場がないときはどうする? こんにちは。富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。 相続が発生した際、財産の中に「外貨建て資産」や「外貨建て債務」が含まれていることがあります。たとえば、米ドル建ての預金、海外ETF、外国不動産、さらには外貨建てローンなどです。 これらの財産や債務は、日本円に換算して相続税申告を行う必要があります。この換算手続きは「邦貨換算(ほうかかんさん)」と呼ばれ、適切に処理しなければ申告漏れや過大納税の原因となりかねません。 本記事では、「邦貨換算」の基本と実務上の注意点を、専門家の視点からわかりやすく解説します。 1 邦貨換算とは?〜外貨を日本円に直す手続き 邦貨換算とは、外貨建ての資産・債務を日本円に換算することをいいます。 相続税法では、財産の評価は被相続人が亡くなった日(死亡日)時点の価額で行うこととされており、外貨建ての場合も同様に「死亡日の為替相場」を用いて日本円に換算する必要があります。 なお、外貨建て資産には、預金・株式・債券・投資信託・不動産のほか、近年増加している仮想通貨(暗号資産)なども含まれます。また、外貨建ての借入金や未払金などの債務についても同様に邦貨換算が必要となるため、相続財産の調査時には外貨建て取引の有無を十分に確認することが重要です。…