相続

相続に関するコラム(blog)です。

22 5月 2025

【土地の相続評価】特定路線価とは?設定条件、申請方法

目次 1 特定路線価とは?通常の路線価との違い 2 特定路線価が設定できる条件 3 特定路線価の申請手続き 4 特定路線価設定後の重要な注意点 5 特定路線価申請時のチェックポイント 1 特定路線価とは?通常の路線価との違い こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 土地の相続税評価額を計算するために路線価図を確認します。しかし、前面道路に路線価が付されていないというケースに遭遇することもあります。このような土地はどのように評価すればよいのでしょうか? そこで登場するのが「特定路線価」です。特定路線価とは、路線価が設定されていない道路に面した宅地について、相続税や贈与税の申告のために税務署に特別に設定してもらう路線価のことです。 特定路線価は、納税者が税務署に申請して、はじめて、設定されるものです。 2 特定路線価が設定できる条件 特定路線価を設定するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。…

22 5月 2025

【相続の財産評価】国債の相続税評価額の計算方法について解説

目次 1.国債とは?その基本的な仕組みと種類 2.相続財産としての国債の取り扱い 3.国債の相続税評価額の計算方法 4.相続手続きと分割時の注意点 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 国債は有価証券の一種であり、お亡くなりになった方が国債をお持ちだった場合、相続財産に含まれます。有価証券や不動産など、現預金以外の相続財産は、遺産分割協議や相続税の計算をする際に、相続発生時点の時価を算定する必要があります。 今回は、国債の種類と、相続税評価額の計算方法について解説します。 1 国債とは?その基本的な仕組みと種類 国債は、国が発行している債券です。償還期限と利率が設定されており、国が償還(元本の支払い)と利子の支払いを行います。有価証券に分類されますが、株式とは異なり、償還期限まで保有すれば元本が保証されるのが特徴です。一方で、途中解約すると元本割れする可能性があります。 主な国債の種類は以下の通りです。 ■利付国債:半年ごとに利子が支払われ、満期に元本が返ってきます。 ■割引国債:額面より安い価格で購入し、満期に額面で償還されるため利子の支払いはありません。 ■個人向け国債:個人が購入できる利付国債で、発行1年後から中途換金可能。相続が発生した場合は1年未満でも中途換金できます。 2 相続財産としての国債の取り扱い 国債は、相続財産の一部として遺産分割と相続税の課税対象となります。遺言がある場合はそれに従って、ない場合は相続人同士で協議し、誰が国債を取得するかを決めます。 取得方法は次の2通りです。 1…

21 5月 2025

「おしどり贈与」とは?メリット・デメリット、注意点まで

目次 1 おしどり贈与とは?制度の概要 2 適用要件 3 メリット 4 デメリット・注意点 5 申告の流れと必要書類 6 まとめ 1 おしどり贈与とは?制度の概要 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「おしどり贈与」とは、正式には「贈与税の配偶者控除の特例」と呼ばれる制度で、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産またはその購入資金を贈与した場合、最大2,000万円まで贈与税が非課税になるという制度です。 この特例は贈与税の基礎控除(110万円)と併用できるため、最大2,110万円まで贈与税がかからずに配偶者に資産を移転できます。 2 適用要件…

21 5月 2025

【不動産購入】不動産の共有持分とは?決め方を解説

目次 1 不動産の「共有持分」とは? 2 持分の決め方と計算式 3 共有名義のよくあるケース 4 共有名義のメリットとデメリット こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 相続や共同購入などで複数人が不動産を所有する場面は少なくありません。その際に問題となるのが「共有持分」。本記事では、不動産の共有持分について、定義から決め方、売却・放棄時の注意点や税金までを解説します。   1 不動産の「共有持分」とは? 共有持分とは、一つの不動産に対して複数の人が所有権を持つ場合の、各人の所有割合のことです。登記簿には「持分〇分の〇」といった形で記載され、物理的に土地を分けているわけではありません。 共有者は、持分割合にかかわらず、不動産の全体を使用する権利があります。ただし、売却や大規模改修など重要な行為には、共有者全員の合意が必要となるため、共有持分の理解は非常に重要です。 2 持分の決め方と計算式 不動産の共有持分は、原則として購入に要した費用の負担割合に基づいて決めます。 持分割合の計算式:…

21 5月 2025

小規模宅地等の特例とは?土地を最大80%減額できる制度

目次 1 小規模宅地等の特例とは? 2 特例の対象となる4種類の宅地 3 各種類の詳細な要件と注意点 4 宅地が複数ある場合の取扱い 5 手続きと必要書類 6 まとめ 相続が発生し、土地を相続することになった場合、相続税の負担が大きな課題となることがあります。「住む家を失ってしまう」「事業を継続できなくなる」といった事態を防ぐため、「小規模宅地等の特例」という制度が設けられています。この特例を適用することで、相続した宅地等の相続税評価額を大幅に減額できる可能性があります。 今回は、この節税制度である「小規模宅地等の特例」について解説します。 1 小規模宅地等の特例とは? こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 小規模宅地等の特例とは、個人が相続や遺贈によって取得した財産のうち、被相続人や生計を共にしていた被相続人の親族(「被相続人等」といいます)の事業用または居住用に使われていた宅地等(土地または土地の上に存する権利)について、一定の面積まで相続税の課税価格に算入すべき価額から減額できるという制度です。 この制度の目的は、相続人が住み慣れた自宅や、先祖代々引き継いだ事業に利用している土地を、相続税を支払うために売却せざるを得なくなるという事態を防ぐこと、つまり、相続人の生活や事業の基盤を守ることにあります。…

21 5月 2025

相続税の土地・家屋評価の第一歩!「評価単位」とは?

目次 1 評価単位とは? 2 土地の評価単位の考え方 3 家屋の評価単位の考え方 はじめに こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 相続税申告において、不動産の評価は非常に重要でありながら、もっとも複雑な手続きの一つです。なかでも「評価単位の判定」は、その後の土地評価・家屋評価の出発点となります。   1 評価単位とは? 相続税評価における「評価単位」とは、課税対象となる財産をどのようなまとまりで評価するかを定める単位のことです。土地や家屋などの財産は、それぞれ評価単位ごとに分けて評価する必要があります。 ■宅地 → 利用の単位ごと(1区画) ■田及び畑→耕作の単位となっている区画の農地(1枚) ■山林→1筆 ■原野→山林と同じ…