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修繕費と資本的支出の基礎知識|税務上の判断基準

こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。

固定資産にかかる支出のうち、それが「修繕費」としてその期の経費となるのか、「資本的支出」として資産計上されるのかは、事業者にとって非常に重要な判断です。この区分によって税金の金額が変わるため、税務調査でも頻繁に確認される論点です。

本記事では、修繕費と資本的支出の違いを明確にしたうえで、判断基準、具体例、税務調査の注意点を解説します。


1 修繕費と資本的支出の定義

● 修繕費とは

修繕費は基本的に「今あるものを元の状態に戻す」「正常に使えるようにする」ためのお金です。新しく性能を向上させたり、価値を大きく高めたりするものではなく、現状維持が目的となります。

このような修繕費は、会社の経費として計上でき、税務上も損金として扱われるため、税負担を軽減する効果があります

1. 機能維持のための費用

2. 原状回復のための費用

3. 災害復旧のための費用

台風、地震、火災などの自然災害で会社の設備が壊れてしまった場合、元の状態に戻すために必要な費用も修繕費として扱われます。

損金について >

● 資本的支出とは

資本的支出とは修繕に関する支出の中でも特別な性質を持つもので、単なる修理ではなく、資産をより良くしたり長持ちさせたりするための支出のことです。

1. 使用期間を延ばす工事

  • ■建物の大規模改修(構造部分の補強など)
  • ■機械の性能向上改造

2. 資産の価値を高める工事

  • ■建物への新機能追加(エレベーターの設置など)
  • ■機械の自動化改造

普通の修繕費との違い

普通の修繕費

  • ■壊れたものを直す
  • ■元の状態に戻す

資本的支出

  • ■元よりも良くする
  • ■性能や価値を向上させる

税務上の違い
修繕費 → 損金処理(支出年度の費用)
資本的支出 → 資産計上 → 減価償却

機械の修繕


2 具体的な支出例と区分の実例

● 修繕費として扱われる例

  • ■壊れた備品の修理や交換(同等品)
  • ■水漏れや外壁のヒビ修復
  • ■エレベーターの部品交換(同性能)
  • ■定期的な外壁塗装 など

●資本的支出として扱われる例

  • ■鉄筋コンクリート化、建物の増築
  • ■性能向上した機械設備への交換
  • ■断熱材付きの外壁改修、バリアフリー工事 など

ポイント
同じ「交換」でも、同等品か性能向上かで税務処理が異なります。
請求書などで内訳を明確に分けることが重要です。


3 判断が難しいケースと国税庁の判断基準

実務では、修繕費か資本的支出か判断が難しいケースが多くあります。以下のような基準が参考になります。

資本的支出と修繕費のフローチャート

(出典:国税庁ウェブサイト)リンク 国税庁 修繕費とならないものの判定

明確な修繕費となる基準:

  • ■20万円未満の支出
  • ■3年以内の周期で行う修理・改良

修繕費として処理可能な基準:

  • ■60万円未満の支出、または
  • ■その固定資産の取得価額の10%以下の支出

補足:金額が大きくても、周期性や支出目的を説明できれば修繕費として認められることもあります。

 


4 中古資産に対する資本的支出の取り扱い

中古資産取得後の改修に関しては、耐用年数の見直し償却方法の制限が発生することがあります。

● 改修費用が取得価額の50%を超える場合

  • ■減価償却計算に簡便法が使えなくなる

  • ■耐用年数を再計算する必要あり

● 再取得価額の50%超の改修

  • ■資産が新品と同様とみなされ、法定耐用年数で償却

例:2,200万円の建物相当の中古を1,000万円で取得し、1,200万円の改修 → 法定耐用年数を適用


情報元:国税庁 中古資産の耐用年数


5 税務調査でのチェックポイントと対策

税務調査では、以下のような点がチェックされます:

  • ■高額な修繕費が突然増加している

  • ■建物取得直後の大規模修繕

  • ■修繕計画が不自然または記録が不十分

● 有効な対策資料

  • ■工事前後の写真

  • ■内訳が明確な見積書・請求書

  • ■工事報告書・取締役会議事録

  • ■修繕計画書や不具合報告書 など

特に注意すべきなのは、「明確な記録の有無」です。


6 まとめ:グレーゾーンを避けるには記録と計画が鍵

修繕費と資本的支出の区分は、納税額を左右する重要な税務判断です。
一見すると小さな支出に見えても、処理の違いで数十万円の税額差が生じることもあります。

基本原則

  • ■原状回復 → 修繕費(経費)

  • ■性能向上・耐久性向上 → 資本的支出(資産)

税務リスクを回避するには、支出前の計画段階から税理士などの専門家に相談し、記録をしっかり残しておくことが不可欠です。

是非、私たちにご相談ください。

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飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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短期前払費用の特例とは?活用する際の注意点や否認事例

こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。

会社の経費処理のなかでよく出てくる「前払費用」。これは、サービスの提供を受ける前に支払った費用であり、原則として、その役務の提供期間に応じて費用配分すべきものです。

ただし、「短期前払費用の特例」という例外的な取り扱いが法人税法上に認められており、要件を満たせば、支払時に一括で損金算入できる可能性があります。
この特例を適用すれば、特に適用初年度において税金面で大きな効果を得ることが期待できます。


情報元:国税庁 短期前払費用として損金算入ができる場合


1 短期前払費用の特例とは?

短期前払費用の特例とは、法人が支払った前払費用のうち、「支払日から1年以内に提供を受ける役務」に係るものについては、支払時に全額をその年度の損金に算入することが認められる制度です。

通常は費用を期間按分する必要がありますが、この特例を利用すれば、支払時点で一括損金処理が可能な場合があります。


2 特例の適用要件

この特例を活用するには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

1. 一定の契約に基づき、等質・等量の役務提供を受けること

月ごとに同様のサービスを継続的に受けるものであること(例:家賃、保険料など)

契約書に基づいて年払い契約として締結されていること

2. 支払日から1年以内の提供役務であること

例えば、3月決算の会社が翌4月〜翌年3月までの家賃を3月に支払う → 適用可能です

しかし、2月に支払った場合 → 翌年3月までで1年を超えるため適用できません

3. 現実に支払が行われていること

実際の現金支払または手形支払が必要

単なる未払計上では適用されません

4. 継続適用していること

一度特例を適用した場合、以後も同様に年払い処理を継続する必要があります

利益操作を防止するため、都合の良い年だけの適用は認められません


3 該当する費用・該当しない費用の具体例

■ 特例適用が認められる費用例

  • ■家賃・地代
  • ■火災保険料・損害保険料・信用保証料
  • ■借入金利子(事業関連)
  • ■リース料
  • ■協会年会費・電子版購読料

■ 特例適用が認められない費用例

  • ■顧問料・コンサルティング料(サービス内容が等質・等量でない)
  • ■広告宣伝費(効果が不確定)
  • ■修繕費の前払い(一時的な支出)
  • ■従業員の給料・賞与の前払い
  • ■研修費用(内容が毎回異なる)

リースしているコピー機


4 特例を使う際の注意点とリスク

■ 節税効果は初年度のみ

初年度にまとめて経費処理が可能になる分、翌年度以降は効果が出にくくなります。継続適用が必要なため、1年限りの節税として使うことはできません。つまり、一度この特例を適用すると、同じ種類の費用については毎年同様に処理する必要があります。業績が良い年だけ適用して、悪い年は月払いに戻すといった恣意的な運用は認められません。

■ 資金繰りに影響

前払費用は現金で支払うことが前提のため、資金繰りに影響を与える可能性があります。

■ 税務否認の可能性

  • ■利益とのバランスが取れないほど多額の前払費用を計上している

  • ■契約書が不備で月払い契約のまま支払っている

  • ■実際のサービス提供が不明確 など

これらの場合、税務調査で否認される可能性があります。


5 実務での適用例と否認事例

  • ■適用事例:3月決算会社が、翌1年分の家賃を3月末に契約に基づいて支払った

  • ■否認事例:月払い契約のまま、経理上だけ年払い処理を行っていた

  • ■否認事例:顧問料を等質等量と判断して一括損金処理した(サービス内容に変動があり適用不可)


6 まとめ:活用には専門的判断が不可欠

短期前払費用の特例は、正しく適用すれば一時的な節税効果があります。
しかし、その適用には次のような厳格な条件をすべて満たす必要があります:

  • ■1年以内の役務提供

  • ■現実の支払

  • ■継続適用

  • ■等質・等量のサービス内容

また、過度な節税意図があると判断された場合、税務否認の可能性があり、資金繰りや事業計画への影響も考慮する必要があります。

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静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

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重加算税とは?適用ケースから計算方法、デメリット

こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。
今回は「重加算税」について、制度の概要から適用事例、計算方法、リスクと対処法までを実務的に解説します。


1 重加算税とは?制度の概要と役割

重加算税は、納税者が仮装や隠蔽を伴って不正な申告を行った場合に課される加算税です。意図的な不正行為への強い制裁措置として位置付けられており、税務コンプライアンスを促進する重要な役割を果たしています。

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2 どんな場合に重加算税が課されるのか?

重加算税の適用には「隠蔽または仮装」が要件とされています。以下のようなケースが該当します:

  • ■二重帳簿の作成
  • ■売上の脱漏(いわゆる売上隠し)
  • ■架空経費の計上(水増しや虚偽請求)
  • ■帳簿・証憑の改ざん・破棄
  • ■申告義務のある収入の無申告
  • ■調査時の虚偽答弁
  • ■通謀による証憑の偽造 など

詳細には、次のとおりです。
情報元:国税庁 法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

(1) いわゆる二重帳簿を作成していること。

(2) 次に掲げる事実があること。

①帳簿、原始記録、証ひょう書類、貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書、棚卸表その他決算に関係のある書類を、破棄又は隠匿していること。

②帳簿書類の改ざん、帳簿書類への虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っていること。

③帳簿書類の作成又は帳簿書類への記録をせず、売上げその他の収入の脱ろう又は棚卸資産の除外をしていること。

(3) 特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざんし、又は虚偽の申請に基づき当該書類の交付を受けていること。

(4) 簿外資産に係る利息収入、賃貸料収入等の果実を計上していないこと。

(5) 簿外資金をもって役員賞与その他の費用を支出していること。

(6) 同族会社であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること。

3 重加算税の計算方法と税率

重加算税は、本来の課税額に対して課される附帯税です。

重加算税の金額 = 不正に納めなかった税額 × 上記の税率

他の加算税に比べて非常に高率な税率が設定されています。

重加算税は、過少申告加算税および不納付加算税の課税割合に代えて、35%と定められています。

重加算税は、無申告加算税の課税割合に代えて40%と定められています。

加算税の種類通常税率重加算税
申告書を提出していて過少申告をした場合 過少申告加算税10% or 15%35%
申告書を提出していない場合 無申告加算税15% or 20%40%
納付をしていない場合 不納付加算税10%35%

・期限後申告等があった日前5年以内に同じ税目に対して重加算税を課された場合10%が加算されます。

したがって、これらの要件に該当する場合は、過少申告や不納付で45%、無申告で50%の重加算税が課されます。


情報元:国税庁 加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし

具体的にみていきましょう。申告書を提出していて過少申告をした場合の重加算税について。

本来支払うべきだった税金が100万円だった場合、100万円×35%に当たる35万円の重加算税が課されます。

また、重加算税には延滞税等も加算されることが多いため、納税負担はさらに大きくなります。

過少申告加算税について >


4 重加算税のもたらす深刻なデメリット

重加算税が課されると、納税者には以下のような不利益が生じます:

  • ■税率が高く、追徴額が大きい

  • ■青色申告承認の取消リスク

  • ■延滞税の増加

  • ■今後の税務調査頻度の増加

  • ■財産の差押え、自己破産でも免責されない

加えて、通常の費用であれば損金算入ができ、法人税を軽減することができるのですが、重加算税等の附帯税は損金算入ができません。


5 重加算税における「故意」の判断基準

税務署は、重加算税を賦課する際に「客観的に仮装・隠蔽と判断される事実」があれば、納税者の主観的な故意の立証を不要とする立場です。
ただし、裁判では「故意」の立証が争点となり、納税者に有利な判決が出ることもあります

このため、調査段階でのやり取りや説明が、重加算税の可否に大きく影響する可能性があります。

6 重加算税の対象となった場合の対処法

1修正申告を行う

税務調査で指摘があった場合、通常、修正申告を行います。

2更生処分を行う

会社が修正するのではなく、税務署が決定を行います。

3不服の申し立てを行う

税務調査の内容に納得できない場合、不服を申し立てることができます。

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「税理士はいらない」って本当?

1 帳簿に追われた夜——あるフリーランスの現実

「今年こそ、ちゃんと確定申告しようと思ってたんです。でも気づけばまた、期限ギリギリになっていて……」

これは、昨年の2月に初めてご相談を受けた、あるWebデザイナーの方の言葉です。彼はフリーランスとして独立して3年目。仕事は順調に増えていましたが、毎年、申告の時期になると胃が痛くなる思いをしていました。

会計ソフトは使っている。レシートも取ってある。ネットで調べながら入力もしている。——それでも、「これで合ってるのか不安で仕方がない」というのが本音でした。

この話は、特別なものではありません。経理や税務に時間を取られることで、本業に集中できず、精神的にも疲弊してしまう個人事業主は少なくありません。

一方で、こうした悩みに直面しながらも、「税理士に依頼するのはまだ早い気がする」と感じている方も多いようです。

果たして、フリーランスや個人事業主にとって税理士は「本当に必要ない」のでしょうか?


2 「税理士はいらない」という考え方が広がった理由

ここ数年、「税理士はいらない」という声を聞く機会が増えました。その背景には、大きく5つの変化があります。

  • ■クラウド会計ソフトの進化
     フリーやマネーフォワードなどの登場により、帳簿作成や確定申告書の作成が格段に楽になりました。

  • ■ネット情報の充実
     国税庁の公式サイト、SNS、YouTube、オンライン講座——税務情報へのアクセスは、以前よりもずっと身近になっています。

  • ■無料相談の活用
     青色申告会や税務署では、確定申告時期に無料相談を実施しています。

  • ■事業規模のミニマム化
     副業やスモールビジネスが増えたことで、取引件数が少なく、会計処理もシンプルなケースが多くなっています。

  • ■「お金の知識」を学びたいという自立志向
     お金の流れを自分で把握したい、自分で学びたいという気持ちも、税理士不要論を後押ししています。

これらは確かに正しい側面があります。「いらない」と言いたくなる理由も、もっともです。


3 分岐点——「やっぱり限界かも」と思った瞬間

話を戻しましょう。

先ほどのWebデザイナーの方は、その年、売上が前年比で1.5倍になりました。案件が増え、外注も使い始め、経費も増えていったのです。

そして申告期限の1週間前、彼はこうつぶやきました。

「取引が複雑になって、もう何が経費で落とせるのか分からない。あと、消費税のことって……これ、どうなるんですか?」

この「分岐点」は、多くの事業主に共通するタイミングです。

  • 売上が1,000万円を超えた(2年後から消費税の課税事業者)
  • 法人成りを検討している
  • 融資を受けたいと考えている
  • 税務署から「お尋ね」が届いた
  • 本業に集中できなくなってきた

このようなフェーズに入ったとき、「税理士に頼る」ことは、単なる外注ではなく、事業を守るための選択になります。


4 「記帳を任せたい」は通じない? 税理士との正しい役割分担

「記帳って全部やってもらえますか?」というご相談をいただくこともあります。

しかし、私たちは基本的に記帳代行は行っていません。なぜなら、経営者ご自身が日々の数字に触れることこそ、経営の感度を養う第一歩だからです。

私たちのサポートは、「自分で記帳できる仕組み」を整えるところにあります。

  • クラウド会計ソフトの導入・初期設定支援

  • 勘定科目や取引内容に関するアドバイス

  • 記帳の内容に対するレビュー・助言

  • 確定申告や決算のチェックおよび作成支援

経営者の意思決定に必要なのは、記帳を「やってもらう」ことではなく、「理解する」ことです。そのためにこそ、私たちは伴走します。


5 税理士に依頼することで得られる“自由”

税理士に依頼することで得られるのは、書類の正確さや節税だけではありません。

それは、「経営者としての自由」です。

  • 記帳の正確性と、確認ができる安心感
  • 「これで大丈夫?」という不安の軽減
  • 融資や調査、節税に関する的確なアドバイス
  • 経営に集中できる時間と精神的ゆとり

「専門家と一緒に数字を見る」というだけで、驚くほど決算書が“自分の言葉”になっていきます。

 


6 それでも、自分でやりたい方へ——自力で対応する選択肢

  • オンライン講座や教材で税務知識を学ぶ

  • クラウド会計ソフトを最大限活用する

  • 税務署や自治体の無料相談窓口を利用する

  • 国税庁や専門メディアでの情報収集

経理を自分で行うという選択は、立派なスタンスです。ただし、「今は大丈夫」でも、「将来もずっと大丈夫か?」は別問題。だからこそ、次の章は重要です。


7 税理士は“いつか”ではなく“必要になったときにすぐ相談できる存在”に

税理士に依頼するタイミングを見極めるポイントは、以下のような“兆し”が出たときです。

  • 売上や取引量が増えてきた
  • 税金が増え始め、申告に不安がある
  • 融資・法人化・人材雇用を考え始めた
  • 本業に集中する時間が減ってきた

そのときに初めて税理士を探すのではなく、「いざというとき、すぐに相談できる関係性」を持っておくことが、経営の安心につながります。

税理士変更について >


まとめ|「いらない」は“今”だけかもしれない。未来の選択肢を準備しよう

税理士は「贅沢品」でも「保険」でもありません。
経営の視界をクリアにする、“必要なときに頼れる味方”です。

税理士が必要かどうかは、事業のフェーズによって変わります。今は必要なくても、将来のために一度、話をしてみる。それだけでも、新しい視点が得られるかもしれません。

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税理士変更で失敗しないために|見直し理由と変更手順を解説【富士市・富士宮対応】

はじめに|税理士変更を真剣に考えはじめたあなたへ

「税理士を変えたいけれど、どうしたらいいかわからない」
「今の税理士と合わないけれど、契約を切るのは気が引ける」
「良い税理士を探す方法が知りたい」
そう感じたことはありませんか?

私たちのもとにも、富士市・富士宮市をはじめ多くの経営者の方から、顧問税理士の見直しに関する相談が寄せられています。

税理士の変更は、一見すると煩雑で勇気の要る行為に思えるかもしれません。しかし、あなたの事業の成長と安定を支えるパートナーを見直すことは、経営判断として非常に合理的であり、必要なステップでもあります。

本記事では、税理士変更の実務から心理的なハードル、変更後の注意点、そして新しい税理士の探し方まで、整理しました。


1 税理士を変更したいと感じる主な理由とは?

顧問税理士の不満が多い背景には、日常業務の中で感じる“違和感”の蓄積があります。
下記のような悩みが代表例です。

よくある不満背景・理由
相談しづらい・質問がしにくい忙しそうにしていて、経営相談ができない
レスポンスが遅いメールや電話の返答が数日かかる
節税提案がない申告書は出してくれるが、将来を見据えた提案がない
営業ばかりされる税務と関係のない投資の話が多い
人間的に合わない言葉遣いや態度が高圧的、無愛想 など

これらは、税理士を変更したくなる“兆し”であり、本当に必要な支援を受けられていない証拠ともいえます。


2 税理士の変更をためらう心理的ハードルとその克服法

「不満はある。でも今さら契約を切るのは気まずい…」
多くの方がこのような心理的ブレーキを感じています。

税理士は契約でつながっているビジネスパートナーです。
長年の付き合いであっても、「経営にプラスにならない」と判断した場合には、見直すのが合理的な経営判断です。

よくある懸念とその対応策

心配ごと解決策
一から説明するのが面倒新しい税理士が初期面談で業務フローや過去の数字を整理してくれます
税務調査への影響が心配税務調査には新税理士が同席可能。過去の対応資料は旧税理士から取り寄せられます

変更のタイミングや手続きさえ押さえれば、トラブルなくスムーズに移行することが可能です。


3 税理士変更のベストタイミングはいつ?

税理士変更 のタイミングにおける悩みのひとつに、契約解除や顧問料の重複リスクを避けたいという悩みがあります。

最も理想的なタイミングは「決算・申告完了直後」

理由は以下のとおりです。

  • 決算が終われば、その期の作業は一段落する

  • 新しい税理士は次期の初めから引き継げる

  • 顧問料が旧税理士と新税理士で重複しにくい

伝えるタイミングは「申告完了直後」がベター

決算の途中で伝えると、税理士の士気に影響が出る可能性があります。
そのため、「来期からの変更を予定している」ことを、穏やかに伝えるのが最善です。


4 税理士を変更する前にやるべき3つのステップ

税理士変更は一大決断ですが、感情や勢いだけで進めると後悔する可能性もあります。
変更前には以下のステップをしっかりと踏むことが重要です。

ステップ①:不満を明確化する

「なぜ変えたいのか」を自分の言葉で整理することから始めましょう。
下記のように、具体的な出来事と気持ちをセットで書き出すのが効果的です。

例:「節税の相談をしたが、『それはやめておいた方がいい』とだけ言われ、代替案も提示されなかった」
→「提案型のサポートが欲しい」

このように、「求める税理士像」を明確化することが、新たな出会いの精度を高める第一歩になります。

ステップ②:一度、要望を伝えてみる

変更を考える前に、今の税理士に不満や要望を率直に伝えることも選択肢の一つです。
特に税理士法人のように複数スタッフがいる事務所では、担当者の変更だけで関係性が改善する場合もあります。

ステップ③:新しい税理士が見つかるまで解約しない

「次が決まるまで、今の税理士を解約しない」——これは極めて重要な原則です。
すぐに解約してしまうと、税務署対応・決算準備など、緊急時に手が打てなくなるリスクがあります。

また、複数の税理士と面談してみることで、意外にも「今の税理士の良さ」に気づくケースもあります。


5 税理士変更の伝え方は「感謝+前向きな理由」が基本

税理士変更を円滑に進めるには、「伝え方」が最重要です。

✔ 結論:

関係を壊さず、前向きな理由で伝えることが鍵です。

✔ 理由:

税務調査や過去資料の確認など、変更後も旧税理士に依頼する場面があるためです。

✔ 伝え方の一例:

「これまで大変お世話になりました。今後の事業展開を見据え、別の視点を持つ税理士の方と取り組んでみたいと考えております。今後ご相談させていただく場面もあるかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。」

相手の貢献に感謝しつつ、経営判断としての変更であることを明確にしましょう。


6 税務調査があった場合、変更前の税理士は関与する?

税理士変更後に税務署から連絡があった場合、「今の税理士がすべて対応してくれるのか?」と不安になる経営者も少なくありません。

基本的には「新しい税理士が対応」

税務調査は、あくまで「現在の納税者(=あなた)」に対して行われるものであり、顧問税理士は代理人として同席・対応します。
したがって、変更後であっても、新しい税理士がすべての窓口となり、立ち会いや交渉を担当するのが一般的です。

過去の処理に関して聞かれることもある

ただし、調査対象が変更前の決算期間にかかる場合、過去の処理内容について税務署から質問されることがあります。
このとき、旧税理士がどのような説明を行っていたか、またはどのような根拠資料があったかを把握する必要があります。

そのため、税理士変更の際には、旧税理士との関係を悪化させないことが非常に重要です。


7 顧問契約時に確認すべき5つのポイント

税理士を変更したあとは、新たな契約条件の確認が欠かせません。

✔ 結論:

顧問料・業務範囲・契約条件を曖昧にしないことが、後悔を防ぐポイントです。

① 顧問料:サービス内容とのバランスが重要

訪問頻度、月次報告、経営分析などの有無で金額は大きく変わります。

② 決算料・申告報酬:一式の中身を必ず確認

地方税や消費税、電子申告の費用が含まれているかをチェック。

③ 会計入力(記帳):原則、自社対応が基本

当事務所では、経営者自身が数字を把握する体制を推奨しています。
そのため記帳代行は行わず、クラウド会計の活用とレビュー支援に特化しています。

④ 税務調査・節税相談の対応範囲

調査の立ち会いや経費処理アドバイス、融資支援、相続税相談など、
どこまでが顧問契約に含まれるかを明確にしましょう。

⑤ 解約・更新条件:後トラブルの火種に注意

通知期限、自動更新の有無、データ引き継ぎ条件など、契約書で必ず確認。

「確認しづらい雰囲気」のある税理士は要注意。
内容を明確に説明し、質問にしっかり答えてくれる税理士こそ信頼できます。


8 税理士を変えて、経営が息を吹き返した話

ここでは、実際に税理士を変更された富士市のある小売業者の事例をご紹介します。

「売上は伸びているのに、利益が残らない」──見えない課題に悩んでいた日々

創業から10年目を迎えていた小川さん(仮名)は、売上は年々伸びているにもかかわらず、資金繰りに追われ、利益がほとんど残らない状態に悩まされていました。

顧問税理士に相談しても、「節税はしていますよ」「この調子でいきましょう」と曖昧な返答が続き、経営の視界が開けることはありませんでした。

そんなとき、異業種交流会で出会った経営者仲間から「税理士を変えてから資金繰りが劇的に改善した」という話を聞き、小川さんは一歩を踏み出します。

税理士変更後、「利益構造の再設計」が始まった

新しい税理士は、まず月次の粗利率の変動に着目し、売上構成・固定費の比率・仕入先の単価交渉余地を丁寧に洗い出しました。

また、今まで曖昧だった会計処理を精査し、原価と販管費の区別を明確化。クラウド会計でデータ共有を行いながら、翌月のキャッシュ残高予測を経営者とともに確認する体制が整いました。

結果的に、小川さんの会社では、1年で黒字転換・手元資金2.5倍という成果を実現できました。

まとめ|税理士を変えるという決断は、経営の未来を変える第一歩

税理士の変更には、確かに労力も勇気も必要です。
しかし、もし現在の税理士との関係に不安や不満を感じているなら、それは事業の再点検を促す“経営上のシグナル”かもしれません。

税理士は、単なる「申告代行者」ではなく、「経営の伴走者」です。
共に未来を見据え、数字の裏にある課題や可能性に気づき、前に進むパートナーでなければなりません。

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飯野明宏税理士
この記事を書いた税理士

飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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【富士市・富士宮市】失敗しない税理士の選び方|信頼できるパートナーを見極める15の視点

こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。

「税理士に何を求めたらいいのか分からない」「どこまで任せてよいのか判断がつかない」

税理士は単なる申告書の作成者ではなく、経営の意思決定を支える参謀であり、成長を共にする伴走者です。本記事では、数ある税理士の中から本当に信頼できるパートナーを見極めるための15のチェックポイントをお伝えします。

1 なぜ「良い税理士選び」が事業に直結するのか

ある富士市の中小企業経営者が、こんな言葉をもらしました。

「もっと早く、ちゃんと探していればよかった。」

税理士との契約は、通常、年単位で続く長期的な関係です。一度選んでしまうと変更しづらいため、最初の判断が極めて重要です。

もし適切でない税理士と契約してしまった場合、以下のような事態が生じる可能性があります。

  • ■節税や資金繰りについての助言が得られず、経営が非効率になる

  • ■経営が苦境に立たされた際にも、的確な助言を得られない

とくに富士市・富士宮市における地域密着型経営では、地元の事情に精通し、実務に強い税理士の存在が経営の安定と成長に直結します。


2 面談は4〜5人が基本。1人だけで決めてはいけない理由

「近所の税理士に紹介されたから」「最初に会った人が良さそうだったから」――
このような理由だけで税理士を決めてしまうと、後悔することもあります。

最低でも4〜5人、多ければ10人程度の税理士と面談し、比較・検討することが重要です。

比較項目チェックポイント
業務範囲必要なサービス(申告・相談・会計指導など)を網羅しているか
コミュニケーション話しやすく、説明が丁寧で理解しやすいか
専門性業種や事業フェーズに対する理解があるか

富士市・富士宮市周辺でも、無料相談や初回面談を受け付けている税理士事務所は多くあります。複数人と話すことで、報酬体系や人柄の違いを肌で感じることができます。


3 税理士事務所のタイプを見極める

税理士事務所には、それぞれ得意とするサービス領域があります。大きく分けると次の3タイプです。

3-1. 低コスト型

  • ■特徴:必要最小限の業務に絞った対応(記帳代行、申告書作成など)

  • ■向いている企業:コストを抑えたい小規模法人・個人事業主

  • ■留意点:経営助言や資金調達支援などには対応できない場合が多い

3-2. 特化型

  • ■特徴:特定業種(例:医業、不動産、建設、飲食)に精通

  • ■向いている企業:業界特有の税務論点や助成金申請に関心がある事業者

  • ■利点:業界団体とのネットワークを持つケースもある

3-3. 付加価値型

  • ■特徴:経営支援・資金調達・事業承継など、広範囲のサービスを提供

  • ■向いている企業:成長ステージの企業、スタートアップ、事業再構築を目指す法人

  • ■利点:弁護士・社労士・行政書士など外部連携が強い

富士市・富士宮市には、特化型・付加価値型の税理士事務所も増えており、ニーズに応じた選択が可能です。


4 対応可能な業務の範囲を確認する

税理士が提供する業務は、事務所ごとに異なります。契約前に必ず業務範囲を確認しましょう。

業務カテゴリ主な内容
基本税務記帳指導、法人税・所得税・消費税の申告、年末調整
経営サポート資金繰り計画、金融機関との交渉、経営計画書の作成
税務調査対応書面添付制度の活用、事前準備、調査立会い、修正申告

「これもやってもらえると思っていたのに別料金だった」というトラブルを防ぐため、顧問契約に含まれる業務とオプション業務を明確にしましょう。


5 事務所の規模による違いを理解する

税理士事務所の規模も選定の参考になります。それぞれにメリット・デメリットがあります。

規模特徴
個人〜中小規模担当者と直接やり取りでき、柔軟で親身な対応が可能
大規模法人担当がチーム制で、専門分野に応じた分業体制が整っている

重要なのは、事務所の規模そのものではなく、「自社のニーズに適した支援体制があるかどうか」です。


6 税理士報酬は「総額」よりも「内訳」で比較する

報酬額はもちろん気になるポイントですが、重要なのは「何に対して、いくら発生するのか」です。

報酬区分内容
月額顧問料日常的な税務相談、記帳確認など
決算報酬決算書・申告書の作成、税務署への提出
年末調整・法定調書給与計算、源泉徴収票、支払調書など
オプション報酬相続対策、M&A、補助金申請、セカンドオピニオン等

不明点があれば契約前にすべて確認しておくことが肝心です。

7 対応のスピードと柔軟性を見極める

経営において「今すぐ相談したい」場面は少なくありません。そんなとき、税理士からの返答が遅い、担当者に連絡がつかない、といった状況では、業務に支障をきたす恐れがあります。

面談時には以下の点を確認しておくとよいでしょう。

  • ■メール・チャット・電話など複数の連絡手段に対応しているか

  • ■担当者が不在でも、バックアップ体制が整っているか

特に富士市・富士宮市の地域企業においては、地元密着だからこそ「すぐに駆けつけてくれるか」「地元の事情に精通しているか」といった点も判断基準になります。


8 信頼できる「人柄」と誠実な姿勢を持っているか

税理士との関係は、単なる業務のやりとりに留まらず、人間関係の信頼性が大きく影響します。

以下のようなポイントを面談時に観察してみてください。

観察項目チェックポイント
傾聴姿勢自社の話を真摯に受け止め、丁寧に耳を傾けているか
フィードバック表面的な回答ではなく、具体的かつ現実的な助言があるか
誠実さ売込みよりも、課題解決を第一に考えてくれているか

9 相談しやすい空気感があるかどうか

「こんなことを聞いても大丈夫だろうか…」
そう感じてしまう税理士との関係では、本音の相談がしづらくなってしまいます。

税理士は、ときに社内の誰にも相談できない経営上の悩みを打ち明ける存在でもあります。気兼ねなく相談できる雰囲気があるかは、極めて重要な判断材料です。


10 経営支援まで踏み込んでくれるか

良い税理士は、数字を処理するだけでなく、その数字をもとに「未来の経営」を一緒に考えてくれます。

たとえば…

  • ■銀行融資に必要な資金繰り表や経営計画の作成

  • ■KPI(重要業績評価指標)の導入や予算管理支援

  • ■利益シミュレーションに基づく意思決定のアドバイス

富士市・富士宮市でも、経営支援型税理士を求める企業が増えており、こうした付加価値が差別化の鍵になります。


11 耳の痛いことも、正直に伝えてくれるか

時には、経営者の判断に対して「NO」と言う勇気が求められる場面もあります。例えば、無理な節税スキームやリスクのある投資判断に対して、税理士が忖度せずに意見してくれるかどうか。

長期的な経営を考えるうえで、経営者の「YESマン」ではなく、信念をもって助言してくれる税理士こそ、真のパートナーといえるでしょう。


12 税務調査に対する備えがあるか

税務調査は、突然やってくることもあります。そのときに頼れる税理士がいるかどうかで、企業のリスク対応力は大きく変わります。

  • ■税務調査時の立会いや、調査官との交渉経験があるか

  • ■調査前の事前チェックや帳簿整備のサポートがあるか

地域密着型の税理士であれば、富士税務署・富士宮税務署との対応経験も豊富で、安心して任せられるはずです。


13 ITと制度改正への対応力があるか

近年の税務は、デジタル化と制度改正の波が急速に押し寄せています。これに適切に対応できる税理士でなければ、企業に不利益が生じるおそれもあります。

チェックすべきポイント:

  • ■クラウド会計への対応力

  • ■電子帳簿保存法やインボイス制度への理解と実務実績

こうした対応は、特にIT化を進める富士市・富士宮市のスタートアップや成長企業にとって必須の条件です。


14 継続的なコミュニケーション体制があるか

月次面談、決算前の予測シミュレーション、「契約後の継続支援」があるかを確認しましょう。

定期的に顔を合わせ、経営数字を一緒に確認できる税理士がいれば、経営判断の精度も格段に高まります。


15 最終判断は「信頼できるかどうか」

ここまで15の視点をお伝えしてきましたが、最終的には「この人に任せたい」と思える信頼感が決め手となります。

顧問料の金額や業務範囲だけでは測れない、“信頼”という無形の価値こそが、税理士選びの核心です。

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飯野明宏税理士
この記事を書いた税理士

飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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