上場株式の相続税評価方法と注意点

2025年5月17日 管理人

第1章|上場株式の相続税評価方法と注意点

相続財産の中に上場株式が含まれている場合、相続税の申告にあたって適切な評価が求められます。上場株式の株価は日々変動するため、相続税法上は、相続開始日だけでなく、一定の期間の株価の中から最も低い価格を選ぶことが認められています。


第2章|上場株式の相続税評価額の基本計算式

評価額 = 1株あたりの株価 × 株数

この「1株あたりの株価」と「株数」を正確に把握することが評価のポイントです。


第3章|株数の確認方法

  • 証券会社の「残高証明書」で確認。
  • 取引証券会社が不明な場合は「証券保管振替機構(ほふり)」で開示請求。
  • 単元未満株(端株)の見落としに注意:配当計算書などで確認し、株主名簿管理人から証明書を取得する必要があります。

第4章|1株あたりの株価の決定方法(4つの中から最も低い額を選択)

  1. 相続開始日の終値
  2. 相続開始月の終値の平均額
  3. 前月の終値の平均額
  4. 前々月の終値の平均額

第5章|評価に関する注意点

1. 相続開始日に株価がない場合

休日などで終値が存在しない場合:最も近い前営業日と後営業日の終値平均を使用。

2. 権利落ち日と基準日

  • 権利落ち日後の評価は、原則として権利落ち日以前の価格を評価に使用。

3. 配当期待権・未収配当金

  • 配当基準日から決議日前:配当期待権として評価
  • 決議日から支払日前:未収配当金として評価 → いずれも源泉徴収税(20.315%)を控除して計上。

未収配当金・配当期待権・未収分配金とは?評価方法

相続税の専門院

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飯野明宏税理士
この記事を書いた税理士

飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

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