【相続税の延滞税・加算税はいくら?】申告や納税のペナルティと回避策
こんにちは。富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。
相続税には、申告や納税が遅れたり不備があると「延滞税」や「加算税」といったペナルティ(附帯税)が課されることがあります。こうしたペナルティは本税に上乗せして支払う必要があり、無視すると負担が大きくなってしまいます。
本記事では、延滞税・加算税の具体的な税率や計算方法、さらにペナルティを回避する方法について詳しく解説します。
📚 目次
第1章|延滞税とは?納税遅れのペナルティ
● 課税されるケース
- 申告は間に合ったが納税が遅れた
- 期限後申告・修正申告
- 税務調査による更正処分
● 税率(令和5〜6年)
- 納期限翌日〜2か月:年2.4%
- 2か月超:年8.7%
● 延滞税の計算方法
延滞税 = ①+②
①:税額×2.4%×2か月以内の日数÷365
②:税額×8.7%×2か月超の日数÷365
※100円未満切捨て
【計算例】
納税額:1,000万円、延滞期間90日(61日+29日)
- ①10,000,000 × 2.4% × 61 ÷ 365 = 約40,109円
- ②10,000,000 × 8.7% × 29 ÷ 365 = 約69,123円
- 合計:109,200円(切り捨て後)
● 延滞税の免除期間
- 自主的修正申告:1年超の期間が免除される
- 税務署更正決定:1年超の期間が免除される
- 重加算税課税時:免除適用なし
第2章|加算税とは?申告の不備に対するペナルティ
● 種類と概要
種類 | 内容 | 税率目安 |
---|---|---|
無申告加算税 | 期限内に申告していない場合に課される加算税 | 5~30% |
過少申告加算税 | 実際より少ない金額で申告した場合に課される加算税 | 5~15% |
重加算税 | 仮装・隠ぺいなど悪質な不正行為がある場合に課される重い加算税 | 35~40%(加算あり) |
● 無申告加算税の税率(抜粋)
税額の範囲 | 自主申告 | 調査通知後 | 調査後 |
---|---|---|---|
~50万円 | 5% | 10% | 15% |
~300万円 | 5% | 15% | 20% |
300万円超 | 5% | 25% | 30% |
※ 過去に課税歴があると10%加算される場合あり
● 過少申告加算税の税率(抜粋)
税額増加分 | 自主修正 | 調査通知後 | 調査後 |
---|---|---|---|
~50万円 | 0% | 5% | 10% |
50万円超 | 10% | 15% | 15% |
第3章|税務調査での発覚と重加算税
税務調査のきっかけ:
- 名義預金・生前贈与の申告漏れ
- 評価額の不自然な低さ
- 保険金・預金の未申告
調査は原則として事前通知がありますが、悪質な場合は無予告で行われることも。
第4章|ペナルティを回避・軽減する方法
- 早めに申告・納税(税額未確定でも仮納付)
- 相続税対策として現金準備・生命保険活用
- 特例適用(配偶者・宅地等)でも申告は必須
- 自主的に期限後申告・修正申告
- 相続専門税理士に相談・依頼
第5章|納税困難な場合の対応策
制度 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
延納 | 分割払い | 利子税あり |
物納 | 財産による納付 | 対象資産に要件あり |
猶予制度 | 災害や病気による延長等 | 要件・申請必要 |
一時借入 | 金融機関からの資金調達 | 滞納処分の回避に有効 |
まとめ
延滞税・加算税は「申告の遅れ」や「納税忘れ」に対する罰則です。
- 早めの対応と自主的な申告・納税が重要
- 税務調査前に修正すれば、加算税は軽減可能
- 専門家のサポートで、適正な申告と節税が可能になります
富士市・富士宮市で相続税のご不安がある方は、飯野明宏税理士事務所までお気軽にご相談ください。