税理士飯野明宏

税理士飯野明宏の執筆したコラム(blog)です。

08 5月 2025

相続税の税率と計算方法|課税価格ごとの税率・控除・計算例まで

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「相続税はどのくらいかかるのか?」 この質問に答えるためには、「相続税の税率」を正しく理解する必要があります。 相続税は一律の税率ではなく、課税価格に応じて税率が上がっていく「超過累進課税制度」を採用しています。また、税率だけでなく「控除」や「特例」なども複雑に絡んでおり、全体像を把握するにはある程度の知識が求められます。 本記事では、相続税の税率とその計算方法を、税理士の視点からわかりやすく解説します。これを読めば、自分や家族に相続税がどれだけかかるのか、具体的にイメージできるようになるはずです。 目次 1. 相続税の税率は「超過累進課税」 2. 相続税の計算ステップ 3. 具体的な計算例 4. 税率に関わる各種控除と特例 5. 税率を意識した考え方 6. 相続税の税率に関するよくある質問(FAQ) まとめ|相続税の税率は正しく理解すれば怖くない 1.相続税の税率は「超過累進課税」…

08 5月 2025

相続税対策としての養子縁組 効果と注意点

目次 1. 養子縁組の基本:2つの種類を知ろう 2. 養子縁組による相続税軽減の仕組み 3. 養子縁組を行う上での重要な注意点 4. 他の相続税対策との効果的な組み合わせ 5. まとめ:専門家への相談が成功の鍵 こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 相続税の申告と聞くと、多くの方が「複雑で大変そう」と感じるのではないでしょうか。実際、遺産が一定の基準を超えると課税されるため、効率的な相続税対策は多くの方の関心事となっています。 その中でも「養子縁組」は、相続税を軽減する有効な手段として注目されています。しかし、安易に行うとトラブルの原因にもなりかねません。今回は、養子縁組が相続税に与える影響と、その効果・注意点について解説します。 1 養子縁組の基本:2つの種類を知ろう 相続税対策として養子縁組を検討する前に、まず養子縁組には「普通養子」と「特別養子」の2種類があることを理解しましょう。 普通養子縁組 実親との法的関係を保ちながら、養親との間に親子関係が成立する養子縁組です。一般的に行われる養子縁組で、当事者同士の同意があれば市区町村への届出だけで成立します。 特徴:実親と養親の両方から相続を受けることが可能…

08 5月 2025

相続税における「みなし相続財産」とは?

目次 1. 相続税における「みなし相続財産」とは? 2. みなし相続財産とは? 3. みなし相続財産の共通する特徴 4. 主なみなし相続財産の種類と注意点 5. まとめ:みなし相続財産を正しく理解し、適切な申告を 1. 相続税における「みなし相続財産」概要 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「相続税の対象になる財産は何か」といった疑問を持つ方は多いかと思います。その中で、特に注意が必要なのが「みなし相続財産」です。これは民法上の遺産ではないものの、相続税法上では遺産とみなされ、課税対象になる財産を指します。この記事では、税理士の視点から「みなし相続財産」の基本的な考え方と、代表的なケースについてわかりやすく解説していきます。 リンク 国税庁 相続税がかかる財産 2. みなし相続財産とは? 相続税法では、亡くなった方(被相続人)の財産のうち、実際にはその人の名義になっていないものでも、一定の条件を満たすと「相続財産」として課税の対象になります。これが「みなし相続財産」と呼ばれるものです。 代表的な例として、以下のようなものが該当します:…

08 5月 2025

相続税の基礎控除とは?

目次 1. 相続税は「基礎控除」以内ならかからない 2. 法定相続人の数え方と注意点 3. 相続税がかかるかどうかを判断するポイント 4. 特例を使って税額ゼロにしても申告は必要 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「相続税って、自分には関係あるの?」「基礎控除って聞いたことはあるけど、よくわからない…」 そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。相続税はすべての人にかかるわけではありません。基礎控除という“非課税の枠”が設けられており、これを超えるかどうかが申告・納税の判断基準になります。 この記事では、相続税の基礎控除額の計算方法、法定相続人の正しい数え方、相続税が必要となる“ボーダーライン”について解説します。 1. 相続税は「基礎控除」以内ならかからない 相続税の申告が必要かどうかは、遺産の総額が「基礎控除額」を超えるかどうかで決まります。 この基礎控除額は、以下の式で計算します。 3,000万円 + 法定相続人の数…

07 5月 2025

【重要改正】生前贈与加算の変更 加算期間と対象のケース

目次 1. 生前贈与加算とは? 2. 加算対象期間の延長とその影響 3. 生前贈与加算の対象となるケース 4. 生前贈与加算の対象外となる贈与とは? 5. すでに支払った贈与税はどうなる? 6. まとめ:生前贈与は計画的に こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 相続税対策として「生前贈与」を行う方が増えていますが、注意が必要なのが「生前贈与加算」の制度です。 今回は、令和6年以降の改正で大きく変わった生前贈与加算について、その考え方や対象となるケース・ならないケースを、実務経験をもとにわかりやすく解説します。 1. 生前贈与加算とは? 生前贈与加算とは、相続開始前の一定期間内に行われた贈与を、相続財産に「持ち戻して」相続税の課税対象とする制度です。年間110万円の基礎控除内での贈与であっても、加算の対象となる点がポイントです。 これまでこの加算の対象期間は「相続開始前3年以内」でしたが、令和5年の税制改正により、最大7年以内に延長されました。…

07 5月 2025

【兄弟が相続人になる?】子や親がいない場合の相続と注意点

こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「私たち夫婦には子供がいない。兄弟がいるけれど、相続人になるのだろうか?」未婚化・少子化が進む現代では、「兄弟姉妹が相続人になるケース」は決して珍しいことではありません。しかし、一般的な相続のイメージ(配偶者や子どもが相続する)とは異なる点も多く、制度や税制を正しく理解しておかないと、トラブルや予期せぬ負担につながる可能性もあります。 本記事では、兄弟姉妹が法定相続人となる具体的なケースや、相続分、税金の取り扱い、よくあるトラブル例まで、税理士の視点でわかりやすくご紹介いたします。 目次 兄弟が相続人になるのは「子どもも親もいない場合」 配偶者と兄弟が相続人になった場合の相続分は? 配偶者と兄弟が相続人の場合 兄弟姉妹だけが相続人の場合 兄弟姉妹が相続人になる場合の3つの注意点 まとめ 1. 兄弟が相続人になるのは「子どもも親もいない場合」 相続には「法定相続人の順位」があります。被相続人(亡くなられた方)に配偶者がいる場合は常に相続人になりますが、それ以外の親族には順位があります。 第1順位:子(または孫) 第2順位:父母(または祖父母) 第3順位:兄弟姉妹(または甥姪) つまり、子どももおらず、両親や祖父母もすでに亡くなられている場合に、兄弟姉妹が相続人になります。また、法定相続人が相続を「放棄」した場合も、次の順位に相続権が移ります。たとえば、子がいても全員が相続放棄すれば、次の順位である親や兄弟に権利が移るのです。 https://iinotax.com/blog/7327/ 2. 配偶者と兄弟が相続人になった場合の相続分は?…