1 ふるさと納税って、そもそも何?
こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。
ふるさと納税は、「応援したい」自治体に寄附ができる制度です。たとえば、自分が生まれ育った富士市や富士宮市や、災害支援をしたい自治体など、自由に選んで寄附をすることができます。
この制度を利用して自治体に寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税や翌年の個人住民税から控除を受けることができます。
さらに、多くの自治体では、寄附をしてくれた方へ感謝の気持ちとして、その土地の特産品などの「返礼品」を用意しています。昔は還元率の高い返礼品もありましたが、現在は寄附額の3割程度が上限とされています。
この「税金が控除される」+「返礼品がもらえる」という点が、「実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる」、ふるさと納税はメリットがあるといわれる理由です。
2 いくらまで寄附できるの?自分の「上限額」を確認しよう
ふるさと納税で税金が控除される金額には上限があります。自己負担額2,000円を除いた全額が控除されるのは、その人の所得などによって決まる「控除上限額」以内で寄附をした場合です。
この上限額は、給与収入や所得金額、扶養している家族の状況などによって変わってきます。
3 寄附金控除を受けるための手続き
ふるさと納税をしただけでは税金の控除は受けられません。控除を受けるためには、原則として、ふるさと納税を行った年の翌年に確定申告をする必要があります。
ワンストップ特例制度を利用する場合
- ■この制度を利用すると、確定申告が不要になります。
- ■控除額の全額が翌年の個人住民税から控除されます。
- ■寄附先の自治体に「申告特例申請書」とマイナンバー・本人確認書類のコピーを提出する必要があります。
- ■申請書の提出期限は、寄附をした年の翌年の1月10日までです。
確定申告をする場合
- ■ワンストップ特例制度を利用しない方、6団体以上に寄附した方、もともと確定申告が必要な方が対象です。
- ■寄附金受領証明書が必要です。
- ■確定申告書の所定欄に必要事項を記載する必要があります。
4 ここに注意!うっかりミスを防ぐために
- ■控除上限額を超えないように注意する。
- ■ワンストップ特例制度を利用する条件を確認する。
- ■申請手続きを忘れない。
- ■ワンストップ特例を利用した場合でも、確定申告をする際には必ずふるさと納税の申告を含める。
5 2025年からの制度変更について
2025年10月から、ふるさと納税に関する重要な制度変更が予定されています。
ポータルサイトでのポイント付与が廃止されます これまで多くのふるさと納税ポータルサイトで実施されていた、寄附額に応じたポイント還元が2025年10月1日から廃止される予定です。この変更により、ポイント還元を含めた「お得感」は減少しますが、ふるさと納税制度の基本的なメリット(実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取れる)は変わりません。
なお、この制度変更は、ふるさと納税本来の目的である「地域への応援」により重点を置くための見直しの一環として行われるものです。
6 まとめ
ふるさと納税はメリットの大きい制度です。応援したい自治体に寄附をすることで、実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取ることができる制度です。