所得税

所得税に関するコラム(blog)です。

03 6月 2025

法人と個人で減価償却の計算方法はどう違う?

目次 1. 原則となる減価償却の計算方法が異なる場合がある 2. 減価償却費の計上が義務か任意かが異なる まとめ こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 事業で使う建物や機械、車両などの固定資産は、時間の経過とともに価値が減っていきます。この価値の減少に合わせて、取得にかかった費用を数年間にわたって少しずつ経費として計上していく会計処理を「減価償却」といいます。 減価償却の計算は、法人税や所得税の計算にも関わる重要な処理です。この減価償却のルールには、法人と個人事業主とでいくつかの違いがあります。 今回は、減価償却における法人と個人事業主の主な違いについて、解説します。 1 原則となる減価償却の計算方法が異なる場合がある 減価償却費の計算方法にはいくつか種類がありますが、主に使われるのは「定額法」と「定率法」の2つです。 定額法とは 毎年一定の金額を減価償却費として計上する方法です。計算がシンプルで、毎年同じ額を経費にできるため、資金計画が立てやすいという特徴があります。 定率法とは 未償却残高(資産の取得価額からこれまでの減価償却累計額を差し引いた金額)に一定の割合をかけて減価償却費を計上する方法です。この方法では、資産を取得した最初の年に最も多くの減価償却費を計上でき、年々その額が減少していくという特徴があります。早期に多くの経費を計上できるため、特に事業開始初期の税負担を軽減したい場合に有利となることがあります。 情報元:国税庁 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合) 法人と個人事業主の原則的な計算方法の違い 個人事業主の場合…

02 6月 2025

償却資産税の申告の注意点

目次 1. 償却資産税って何? 2. 申告から納税までの流れ 3. よくある間違い7選 こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 毎年1月、忘れてはいけないのが「償却資産税の申告」です。 今回は、償却資産税の基本から間違いやすいポイント、そして還付につながる可能性のある見直し方法までを解説します。 1. 償却資産税って何? 償却資産税は、毎年1月1日時点で事業用の資産を持っている法人や個人事業主に課される税金です。固定資産税の一種で、土地や建物以外の事業用資産が対象となります。 リンク 東京都 固定資産税(償却資産)申告の手引き リンク 総務省 固定資産税 対象となる資産の例 構築物: 門、塀、駐車場、看板、建物の内装など 機械装置: 製造機械、建設機械、製造設備など…

01 6月 2025

【サラリーマン】給与所得者も確定申告が必要?

目次 1. 確定申告って何? 2. 確定申告が【必要】な人 3. 確定申告をすると【お得】な人 こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 「会社員だから確定申告は関係ない」 「年末調整があるから大丈夫」 そんな風に思っていませんか? サラリーマンでも確定申告が必要なケースや、申告することでお金が戻ってくるお得なケースがあります。 今回は、会社員の皆さんが知っておきたい確定申告のポイントを解説します。 情報元:国税庁 給与所得者で確定申告が必要な人 1 確定申告って何? そもそも確定申告とは? 確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税金を計算して、翌年の2月16日〜3月15日に税務署に報告する手続きです。 会社員は年末調整があるから基本的に不要 通常、会社員の皆さんは勤務先が年末調整をしてくれるので、自分で確定申告をする必要はありません。年末調整で税金の調整が完了するからです。…

30 5月 2025

【法定果実】相続開始から遺産分割までの「家賃収入」の税金はどうなる?

目次 1. 法定果実とは何か? 2. 法定果実の原則的な取り扱い 3. 税務(所得税)上の取り扱い こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 相続が発生すると、悲しみに加えて様々な手続きが必要となります。特に、被相続人が収益物件(アパートやマンションなど)や預金などを持っていた場合、遺産分割協議がまとまるまでに時間がかかることがあります。 その間に、相続財産から家賃収入や預金の利子といった収益が発生します。これらの、元となる財産から生じる収益は「法定果実」と呼ばれ、誰がどのように取得し、税務上どのように扱われるのか、問題が生じることがあります。 今回は、この法定果実の税務上の取り扱いについて、特に共同相続人がいる場合の注意点を解説します。 1 法定果実とは何か? 1-1 法定果実の定義 法定果実とは、元となる財産(元物)から生じる収益のことを指します。相続における法定果実の具体例は以下の通りです: ■家賃収入(アパート、マンション、貸家等から生じる賃料) ■預金の利子 ■株式の配当金 ■地代収入…

30 5月 2025

「準確定申告」で知っておきたい重要な注意点

目次 1 準確定申告の基本的な注意点 2 所得控除に関する注意点 3 特定の所得に関する重要な注意点 4 個人事業主の場合の特別な注意点 5 相続税との関連 6 生前からの準備の重要性 こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 大切な方が亡くなられた後、悲しみの中で様々な手続きに追われることになります。そんな中、ほとんどのケースで、初めに期限が訪れる税務手続きが「準確定申告」です。これは、亡くなった方のその年1月1日から死亡日までの所得について行う確定申告で、相続人が代わりに行う必要があります。 今回は、準確定申告で特に気をつけたいポイントを分かりやすく解説します。 リンク 国税庁 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) https://iinotax.com/blog/7873/ 1 準確定申告の基本的な注意点…

30 5月 2025

【中小企業・個人事業主】ゴルフ費用はどこまで経費にできる?

目次 1|ゴルフ費用が経費になる「絶対条件」とは? 2|経費にできるゴルフ関連費用一覧 3|絶対に経費にできないゴルフ費用 4|個人事業主が特に注意すべきポイント 5|税務調査に備える「記録管理」の重要性 6|実務で使える仕訳例 7|ゴルフをビジネスツールとして活用するメリット 8|まとめ:適切な処理で安心してゴルフを活用しよう こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 経営者や個人事業主の皆さん、ゴルフを「仕事の一環」として考えたとき、その費用を経費として計上できるかどうか迷ったことはありませんか? ゴルフにかかる費用は条件を満たせば経費として認められるケースがあります。しかし、プライベートとの境界線が曖昧で、税務署から指摘を受けるリスクもあるのが現実です。 今回は、ゴルフ費用の経費処理について、認められる条件から具体的な処理方法まで解説します。 1 ゴルフ費用が経費になる「絶対条件」とは? ゴルフ費用を経費にするための 最重要ポイントは「事業との関連性」 です。 単なる趣味や娯楽ではなく、売上や利益を生むために必要な支出であることを明確に説明できる場合に限り、経費として認められます。 経費になるケース:接待ゴルフ…