法人税の税務調査とは?調査対象・頻度・指摘ポイントと備え方

2025年5月10日
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2025年5月10日 管理人

法人税の税務調査とは?調査対象・頻度・指摘ポイントと備え方


第1章|税務調査とは何か?その本質と種類を知る

税務調査とは、税務署が申告された税額の適正性を確認するために実施する調査のことです。税目は法人税、所得税、消費税、そして相続税など多岐にわたります。

通常は任意調査であり、きちんと申告していても対象になることがあります。


第2章|法人税における税務調査の実態とポイント

法人税の税務調査は、企業が適切に所得を計算し、税金を正しく納めているかを確認するために実施されます。調査の対象となる法人は、売上規模や業種にかかわらず広範囲に及びます。

2-1. 調査件数と調査率

国税庁のデータによると、令和元事務年度の法人税の申告件数は約288万件、そのうち実地調査が行われたのは約9万件で、調査率は約3.1%です。これは、相続税と比べて一見低いようにも見えますが、継続的な監視の中でランダムではなく「選定された法人」に集中して行われているのが特徴です。

特に、黒字決算が続いている法人、役員報酬が高額な法人、急成長しているベンチャー企業などは、調査対象になりやすい傾向にあります。

2-2. 調査されやすい項目

  • 売上の除外や先送り:現金売上の除外や期ズレ計上がないか

  • 架空経費・水増し経費:外注費、広告費、福利厚生費などの内容確認

  • 交際費や寄付金の処理:損金不算入の判断が適切か

  • 役員報酬や退職金:定期同額でない、または過大でないか

2-3. 調査の周期と傾向

税務調査は一度入れば終わりではなく、3~5年に一度の頻度で繰り返し実施されることもあります。また、税理士の申告内容や企業の税務姿勢によって、選定から外れることもあれば、反対に継続的に目をつけられることもあります。


第3章|税務調査が来る前にできる事前準備

税務調査は突然やってくるようで、実は準備できるタイミングがあります

3-1. 調査対象になりやすいパターン

  • 現金取引が多い業種

  • 売上や経費の変動が大きい事業年度

  • 関連会社との取引や役員間取引が多い法人


第4章|税務調査を受けたときの対応のコツ

4-1. 税理士の立会いは必須

調査官とのやりとりは税理士を通じて行うことがトラブル防止の鉄則です。

4-2. 素直な対応+証拠書類の整理

質問に対しては事実を簡潔に答えることが重要です。書類は調査官がスムーズに確認できるように分類しておきましょう。

4-3. 指摘内容に納得がいかない場合

税務署から更正処分を受けた場合、不服申立(異議申立・審査請求)も可能です。税理士とよく相談し、方針を決定しましょう。


第5章|まとめ|法人税の税務調査は準備と対応がカギ

税務調査は「罰するため」のものではなく、「正しい納税を促す」ための制度です。調査をきっかけに、記帳や管理体制を見直すことができれば、経営の健全性を高めるきっかけになります。

法人税の調査対策では、「継続的な会計整備」と「専門家との協力体制」が大きな防御力となります。

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飯野明宏税理士
この記事を書いた税理士

飯野明宏税理士公認会計士事務所
代表税理士 飯野 明宏

東海税理士会富士支部所属 登録番号:127320号

公認会計士協会東海会 登録番号:31555号

静岡県富士市横割出身。静岡県立富士高校を卒業後、慶應義塾大学理工学部を経て、早稲田大学大学院会計研究科でMBAを取得。

大学院修了後は、あらた監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)や、都内の税理士法人にて勤務。

現在は、地元・富士市・富士宮にて「飯野明宏税理士公認会計士事務所」を運営し、法人税・相続税の両面に強みを活かした専門的なサポートを提供しています。

 

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