相続税

相続税に関するコラム(blog)です。

19 5月 2025

贈与税のしくみとは?課税方法・計算例・非課税制度 こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 親や祖父母から財産を譲り受ける「贈与」。お金や土地、不動産をもらったとき、「税金はかかるの?」「申告は必要?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 今回は、贈与税の基本的なしくみから、課税の方法、税率の計算、非課税となる特例制度まで、贈与税に関する知識をわかりやすく解説します。 📚 目次 第1章|贈与税とは?誰に、いつ課されるの? 第2章|贈与税の課税方式と基礎控除 第3章|贈与税の計算方法と税率 第4章|非課税となる贈与とは? 第5章|贈与税の申告・納付はいつまで? 第6章|贈与税を巡るトラブルを防ぐには? 第1章|贈与税とは?誰に、いつ課されるの? 贈与税とは、個人から個人へ財産を無償で渡したときに、財産を「もらった側」が負担する税金です。 課税されるのは誰? 贈与税の納税義務者:財産をもらった「受贈者」 課税対象:個人から個人への贈与(法人は対象外) たとえば、親から子へ、祖父母から孫へ不動産や現金を贈与した場合、もらった側に贈与税がかかる可能性があります。 第2章|贈与税の課税方式と基礎控除 贈与税は、原則として「暦年課税方式」により課税されます。…

19 5月 2025

いつから始まった?日本の相続税の成り立ちとその背景を解説

いつから始まった?日本の相続税の成り立ちとその背景を解説 こんにちは、富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。 相続税という言葉を聞いて、「そもそもなぜ相続に税金がかかるの?」と疑問を持たれたことはありませんか?また、「昔は相続税なんてなかったのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 今回は、日本の相続税がどのように始まり、どのような目的で導入されたのかをわかりやすくご紹介します。 📚 目次 第1章|相続税はいつからあるの? 第2章|なぜ相続に税金がかかるのか? 第3章|制度の変遷とその背景 第4章|現代の相続税制度にも通じる考え方 第5章|まとめ 相続税の歴史を知ることは、これからの対策にもつながる 第1章|相続税はいつからあるの? 相続税が日本で導入されたのは、明治38年(1905年)のこと。日露戦争の戦費調達のため、政府は「非常特別税」として相続税を創設しました。 第2章|なぜ相続に税金がかかるのか? そもそも、なぜ財産を相続しただけで税金がかかるのでしょうか?これには、次のような考え方が背景にあります。 相続税は「富の再分配」を目的とした税金である 相続によって得られる財産は、受け取る側にとっては努力せずに得られる「偶発的所得」とされます。 特定の家庭に富が集中するのを防ぎ、社会全体での公平性を図る目的があります。 富の固定化・世襲の抑制…

19 5月 2025

【特別受益の持ち戻し免除とは?】相続トラブルを防ぐための知識と注意点

【特別受益の持ち戻し免除とは?】相続トラブルを防ぐための知識と注意点 こんにちは。富士市・富士宮市の飯野明宏税理士事務所です。 相続が発生した際、被相続人が生前に特定の相続人へ財産を贈与していた場合、それは「特別受益」として相続財産に加えて計算されるのが原則です。しかし、被相続人が「その贈与分は相続財産に含めなくてよい」と意思表示していた場合は、この“持ち戻し”を免除することができます。 今回はこの「特別受益の持ち戻し免除」について、制度の概要、注意点、実務上の対策をわかりやすく解説します。 📚 目次 第1章|特別受益とは?~公平な遺産分割のための制度~ 第2章|持ち戻し免除とは? 第3章|持ち戻し免除が認められる3つのケース 第4章|持ち戻し免除の注意点 第5章|トラブルを避けるための生前対策 第1章|特別受益とは?~公平な遺産分割のための制度~ 相続人の一部が、被相続人から住宅取得資金や結婚資金などの多額の贈与を受けていた場合、それは**「特別受益」**とされ、相続時に相続財産へ持ち戻して計算するのが原則です。 この制度は、すべての相続人が公平に相続できるようにするために設けられています。 https://iinotax.com/blog/7894/ 第2章|持ち戻し免除とは? 持ち戻し免除とは、被相続人が「贈与分を相続財産に加えないでよい」と意思表示した場合に、特別受益を遺産分割の対象から除外できる制度です。 これは相続人間の公平よりも、「被相続人の意思」を重視する制度であり、特定の相続人を優遇したいという思いを反映できます。 第3章|持ち戻し免除が認められる3つのケース 1.…

19 5月 2025

【特別受益とは?】相続トラブルを防ぐために知っておきたいポイントを解説

【特別受益とは?】相続トラブルを防ぐために知っておきたいポイントを解説 こんにちは。富士市・富士宮市の飯野明宏税理士事務所です。 相続の現場では、被相続人から「生前に家を建ててもらった」「結婚資金を援助してもらった」など、特定の相続人だけが利益を得ていたというケースがあります。これが「特別受益」の問題です。 特別受益を正しく理解しておかないと、遺産分割協議が不公平になり、相続トラブル(争族)に発展する恐れもあります。本記事では、特別受益の基礎知識から計算方法、トラブル防止の対策まで、実務経験に基づいて分かりやすく解説します。 📚 目次 第1章|特別受益とは?その意味と重要性 第2章|どんなものが特別受益になる? 第3章|特別受益があるときの相続分の計算方法 第4章|遺留分との関係と持ち戻し免除 第1章|特別受益とは?その意味と重要性 特別受益とは、法定相続人の中で、被相続人から遺言や生前贈与により「特別な利益」を受けた人がいる場合に、その利益を公平な相続に反映させるための制度です。 例えば、長男だけが住宅購入資金1,000万円を生前に受け取っていた場合、それを考慮せずに相続すると、他の相続人から「不公平だ」と感じられてしまいます。そこで、その1,000万円を一度遺産に「持ち戻す」ことで、相続分を調整します。特別受益は相続税の対象ではないため、この持ち戻しは相続税に影響を与えることは、基本的にありません。あくまで、公平な相続分を計算するための概念です。 第2章|どんなものが特別受益になる? 以下のような贈与や遺贈が、特別受益に該当する可能性があります。 特別受益となるケース 遺言による相続人への財産の贈与(遺贈) 婚姻・養子縁組のための多額の持参金や支度金 住宅購入資金の援助 事業資金の援助(農地・株式等)…

19 5月 2025

金(ゴールド)を売却・相続する際の税金とは?

金(ゴールド)を売却・相続する際の税金とは? こんにちは。富士市・富士宮市の税理士飯野明宏です。 世界情勢の不安定化やインフレ対策として「金(ゴールド)」への投資が注目されている昨今、金を資産として保有される方も増えています。そんな中、「金を売ったら税金は?」「相続で金を受け継いだ場合はどうなるの?」といった疑問の声も聞かれるようになりました。 金に関する税金は、「売却」か「相続」か、「現物」か「積立」かなど、状況に応じて取り扱いが大きく異なります。本記事では、金の税務について次の観点から詳しく解説します。 📚 目次 第1章|金を売却したときの税金(譲渡所得) 第2章|金を相続したときの税金(相続税) 第3章|相続した金を売却した場合の税金 第4章|純金積立・金投資口座の税金 第1章|金を売却したときの税金(譲渡所得) ● 基本は「譲渡所得」として課税される 金地金や金貨を売却して得た利益は、原則として「譲渡所得」として総合課税の対象になります。売却益は、以下の計算式で算出します。 譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費+譲渡費用) さらに所有期間によって、以下のように課税計算が変わります。 ・所有期間5年以内:短期譲渡所得…

19 5月 2025

知らぬ間に借金も引き継ぐ!?相続で怖い「法定単純承認」の落とし穴に注意!

知らぬ間に借金も引き継ぐ!?相続で怖い「法定単純承認」の落とし穴に注意! こんにちは。富士市・富士宮市の飯野明宏税理士事務所です。 相続といえば、「財産を受け取る」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし実際には、借金などのマイナスの財産も相続の対象になります。 特に注意したいのが、「知らぬ間に借金も引き継いでしまう」法定単純承認の制度です。今回はこの落とし穴について詳しく解説します。 第1章|相続人が選べる3つの方法 相続が発生すると、相続人には以下の3つの選択肢があります。 単純承認:プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐ(特別な手続き不要。放置=単純承認)。 限定承認:プラスの財産の範囲内で借金を引き継ぐ。家庭裁判所に申述が必要。 相続放棄:最初から相続人ではなかったものとみなされる。借金も相続しない。 第2章|法定単純承認とは?うっかり相続にご用心! 「相続放棄しようと思っていたのに、知らないうちに相続していた!?」 それが法定単純承認の怖いところです。 次のような行為を行った場合、相続放棄や限定承認をする意思がなくても自動的に「単純承認した」とみなされると定めています。 法定単純承認となる3つの行為 相続財産の全部または一部を処分したとき(保存行為を除く) 相続開始から3ヶ月以内に放棄・限定承認の申述をしなかったとき 放棄・限定承認後でも、相続財産を隠したり消費したりしたとき 第3章|「処分行為」と「保存行為」の違いとは? ✅ 処分行為とは?…