消費税

消費税に関するコラム(blog)です。

15 5月 2025

【誤解注意】インボイスがなくても控除できる?免税事業者からの仕入れに関する経過措置の正しい理解

【誤解注意】インボイスがなくても控除できる?免税事業者からの仕入れに関する経過措置の正しい理解 こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 インボイス制度の開始により、仕入税額控除を受けるには原則として「帳簿+インボイス(適格請求書)」の保存が必要となりました。 しかし、免税事業者(インボイスを発行できない事業者)との取引については、「控除がゼロになるのでは?」「80%は控除できると聞いたけど?」といった不安や誤解の声がよく寄せられます。 今回は、免税事業者からの仕入れに対する仕入税額控除の可否と、正しい経過措置の内容について整理してご説明します。 📚 目次 第1章|原則ルール:インボイスがなければ仕入税額控除はできない 第2章|ただし、経過措置がある!【6年間限定】 第3章|この制度の名前は「経過措置(段階的控除)」!誤解されがちな制度名に注意 第4章|これとは別の「少額特例」とは何が違うの? 第5章|仕入税額控除の実務例(段階的控除の場合) まとめ|インボイスがない場合でも救済措置はある。ただし段階的に消える。 第1章|原則ルール:インボイスがなければ仕入税額控除はできない まず大前提として、令和5年10月1日以降、適格請求書発行事業者でない者(=免税事業者等)からの仕入れについては、原則として仕入税額控除はできません。 なぜなら、適格請求書(インボイス)を発行できないため、控除要件を満たさないからです。 第2章|ただし、経過措置がある!【6年間限定】 インボイス制度開始にあたって、いきなり控除ゼロでは事業に大きな影響が出ることから、次のような6年間の経過措置(段階的控除)が設けられました。 ✅ 経過措置の概要(免税事業者からの仕入れ)…

15 5月 2025

【従業員旅費・交通費の仕入税額控除】インボイス不要?帳簿だけでOKなケースと注意点

【従業員旅費・交通費の仕入税額控除】インボイス不要?帳簿だけでOKなケースと注意点 こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 インボイス制度が始まり、消費税の仕入税額控除を受けるためには、原則として「帳簿+適格請求書等の保存」が必要です。 しかし、すべての経費について請求書を取り寄せるのは、現実的に難しい場面もあります。特に、従業員への出張旅費や通勤手当のような経費精算では、「どこまで請求書が必要なの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。 今回は、従業員旅費等に関するインボイス制度の特例と、立替払い・タクシーチケット・内定者交通費の取扱いについて詳しく解説します。 📚 目次 第1章|インボイス不要!帳簿だけで控除できる「従業員旅費等」の特例 第2章|従業員が立替払いした場合は原則通り 第3章|タクシー利用時はどう処理する? 第4章|内定者や採用面接者への交通費は? まとめ|「インボイス不要」かどうかは目的と支出先で判断 第1章|インボイス不要!帳簿だけで控除できる「従業員旅費等」の特例 次のような従業員に支払う通常の経費は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。 ✅ 帳簿保存のみでOKな経費 出張旅費 宿泊費 日当 通勤手当…

15 5月 2025

媒介者交付特例とは?委託販売におけるインボイス対応の実務ポイント

媒介者交付特例とは?委託販売におけるインボイス対応の実務ポイント こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 インボイス制度が始まり、適格請求書の交付・保存が税務処理の基本となりました。しかし、商品の販売形態が「委託販売」や「代理販売」のような三者間取引の場合、 「誰が誰に対してインボイスを交付すべきか?」 「委託者が適格請求書を交付しないといけないの?」 といった疑問をお持ちの事業者様も多いのではないでしょうか。 実は、そうしたケースでは「媒介者交付特例」を利用することで、受託者(仲介者)側がインボイスを交付することが可能です。 今回はこの媒介者交付特例について、実務対応を交えながら解説します。 📚 目次 第1章|媒介者交付特例とは?基本の仕組み 第2章|媒介者交付特例の適用要件 第3章|複数の委託者がいる場合の実務対応 第4章|買手が委託者にインボイスを求めたら? まとめ|媒介者交付特例を活用して、三者間取引もスムーズに対応 第1章|媒介者交付特例とは?基本の仕組み 通常、商品の販売者=課税資産の譲渡者である委託者が、購入者に対してインボイスを交付する義務があります。 しかし、 ✅ 委託販売や取次販売など、受託者(代理店や販売代行)が実務上の販売を担っているケース…

15 5月 2025

帳簿のみでOK?インボイス制度における仕入税額控除の例外とは

帳簿のみでOK?インボイス制度における仕入税額控除の例外とは こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、仕入税額控除の適用には原則「帳簿+適格請求書等」の保存が必要です。 しかし、すべての取引に請求書を求めるのは現実的ではない場合もあります。そのため、インボイス制度では一部の取引において、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例が設けられています。 本記事では、 ✅ 帳簿保存のみで控除可能な取引の一覧 ✅ 帳簿に記載すべき内容 ✅ 電子請求書を保存する場合のルール について、実務に役立つよう解説します。 📚 目次 第1章|インボイスなしでも帳簿保存のみで控除できる取引一覧 第2章|帳簿のみで控除を受けるための記載事項とは? 第3章|少額特例(1万円未満)も帳簿のみでOK【経過措置】 第4章|電子データでインボイスを受け取った場合の保存方法は? まとめ|「帳簿だけで仕入税額控除」も制度の一部!正確な記録がカギ 第1章|インボイスなしでも帳簿保存のみで控除できる取引一覧…

15 5月 2025

電磁的記録(電子データ)でインボイスを提供・保存するには?Webとの連携もOK?

電磁的記録(電子データ)でインボイスを提供・保存するには?Webとの連携もOK? こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、紙の請求書だけでなく、電子データ(電磁的記録)でインボイスを交付・保存することも可能です。しかし、電子提供には一定の要件を満たす必要があり、正しく運用しないと仕入税額控除が否認される恐れもあります。 本記事では、 ✅ インボイスを電子データで提供・保存するためのルール ✅ 領収書とホームページの連携表示による記載事項の補完方法 ✅ 電帳法(電子帳簿保存法)との関係性 について、実務に役立つ内容をまとめて解説します。 📚 目次 第1章|電子データでインボイスを提供することは可能? 第2章|保存するデータの形式と条件(PDFでもXMLでもOK) 第3章|保存方法は「電子帳簿保存法」に準拠が必須 第4章|Webサイトとの連携で記載事項を補完してもOK? 第5章|買手が保存すべきものは?(仕入税額控除の観点から) まとめ|インボイスの電子提供は柔軟に対応可能、ただし保存ルールは厳守! 第1章|電子データでインボイスを提供することは可能?…

15 5月 2025

これで大丈夫!適格簡易請求書の記載事項と対象事業(小売業、飲食店業など)

これで大丈夫!適格簡易請求書の記載事項と対象事業(小売業、飲食店業など) こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 令和5年10月にスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)。この制度では、消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が原則必要ですが、特定の業種においては、より簡易な「適格簡易請求書」の交付が認められています。 今回は、次の2点を中心に解説します: ✅ どのような事業者が適格簡易請求書を使えるのか? ✅ どのような記載事項が必要なのか? 📚 目次 第1章|「適格簡易請求書」を交付できるのはどんな事業者? 第2章|適格簡易請求書に記載すべき6つの項目 第3章|よくある実務上の疑問と対応ポイント 第4章|こんな方は今すぐ確認を! まとめ|インボイス制度に無理なく対応しよう 第1章|「適格簡易請求書」を交付できるのはどんな事業者? 「適格簡易請求書」とは、通常の適格請求書よりも記載事項が簡略化された請求書です。以下のような「不特定かつ多数の者に対して課税取引を行う事業者」が対象となります。 📌 適格簡易請求書を交付できる主な業種: 小売業(スーパー、コンビニなど)…