経営者が落ちがちなダークサイド

2022年8月11日
Posted in コラム
2022年8月11日 飯野悠美子

経営者が落ちがちなダークサイドは、儲かることや自分の事情や欲を優先し、法律違反をしてしまうことです。法律違反だけではなく、契約違反、重大な約束違反もそうです。

人間にとって欲は重要な原動力です。しかし、それは正しい方向へ進んでいるときには非常に有効です。

皆さんはこんなことを同業者から聞いたことはありますか? 「こんな良い方法があるよ?」「こんな方法でごまかしたよ」という甘いささやきです。これは本当に注意が必要です。その理由は、そのようなことに言っている人が生きているから言えるのです。これを生存者バイアスといいます。生きているというのは社会的に抹殺されていないという意味です。死んでしまった人の声は聞こえてきません。そのため、「自分もやってみよう。」、「みんなやってるから大丈夫だろう。」と思ってしまうのは無理もありません。しかし、私は生存者バイアスにひっかかりません。

私が生存者バイアスにひっかからない理由は、この生存者バイアスは公認会計士試験受験の世界で、本当に多いからです。公認会計士試験は10人うけたら1人受かるか受からないかという試験です。しかし、「こうしたら受かったよ」というのは、受かった人だけです。つまり、ほとんどの人が死ぬ競争を生き残った10人に1人が言っていることです。加えて、予備校に通い始めて受験できるまで生存している人もとても少ないです。それは、授業もテストも非常に過酷なものだからです。例えば受験できる人が始めた人の10人に1人だとすると、100人のうち選ばれし1人が発言している内容ということになります。そうすると、何らかの特殊条件がその人にある、と考えるのが自然です。親も優秀で生まれながらに非常に頭が良い。あるいは、中学受験から灘中、灘高、東京大学経済学部、なのかもしれません。

違法等なことをやってうまくいくというのは、警察や国税庁等に人員の制約があるため、これよりも生存する可能性は高いと思います。しかし、中毒性があります。一度、うまくいくとそれが普通になってしまい、何度も繰り返します。繰り返した回数だけ死ぬ確率が高くなっていきます。

さらに悪いことに、私から見ると考え方が歪んできます。違法等なことをやってあたりまえという状況を作り出す人からは、良い人や良い事は離れていきますし、悪い人や悪い事は近づいてきます。私は、そのような方とは早々に距離を置くことにしているので、社会的に死んでしまった人を見たことはないのですが、歪んでしまった考え方は簡単には元には戻りません。覚せい剤と同じと思った方が良いです。

そのため、私は「こんな良い方法があるよ?」「こんな方法でごまかしたよ」というような甘いささやきを聞き入れてしまうことは、ダメ絶対!と言いたいです。

また、世の中は、どんどん透明化しています。インターネットをはじめ、知ろうと思えば、なんでも簡単に知ることができます。ちょっとした中企業でも課金すれば退職者のその会社で働いた感想を見ることができます。私も転職活動のときは大いに利用させてもらいました。得意先に対して、業者に対して、従業員に対して、世界中の皆が見ているものだと思って接してください。業者や従業員にだけ横暴で、得意先にだけヘコヘコする経営者とは私は付き合いたいとは思いません。悪い癖はうつるからです。そのような人とは距離をとります。

特にこれからは従業員への接し方は重要だと考えています。昔は、一度勤めた会社には長く務めるという風潮がありました。今の労働法は、その考え方を踏襲していると思っています。これは早々に変わるでしょう。なぜなら、今、物価は上がっているのに、お給料は上がっていないからです(スタグフレーションといいます。)。国はこの状況を放置しておくでしょうか?

現在の日本のスタグフレーションの原因は、会社を辞めづらいからです。仮に、日本全国すべての会社で強制的に全員を、一斉に解雇しなければならないとしましょう。会社はどう動くでしょうか?優秀な人を集めたいと思います。しかし、今まで優秀な人を安く雇えていたので、同じお給料を提示しても、優秀な人は雇えません。優秀な人を雇用するには、高い報酬を払い、働きやすい環境を整える必要があります。国がスタグフレーション解消のために労働法を改正しはじめた時が、変化の最終段階です。そのときまでに準備ができていない会社は淘汰されてしまう、と私は考えています。

清く正しく美しく、透明な世界を生き抜きましょう。

 

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