財産評価

17 5月 2025

【税理士解説】亡くなった方が勤務先から受け取るはずだったお金の税金はどうなる?給与・賞与・退職金・弔慰金について

【税理士解説】亡くなった方が勤務先から受け取るはずだったお金の税金はどうなる?給与・賞与・退職金・弔慰金について ご家族が亡くなられた際、勤務先から、亡くなった方が受け取るはずだった給与や賞与、そして退職金や弔慰金などが支払われることがあります。これらの金銭が、受け取ったご遺族にとって相続税や所得税の対象となるのか、分かりにくいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 これらの金銭がどのように課税されるのかについて、分かりやすくご紹介します。 📚 目次 第1章|亡くなった方の給与・賞与の税金 第2章|亡くなった方の退職金の税金 第3章|勤務先から支払われた弔慰金の税金 第4章|まとめ 第1章|亡くなった方の給与・賞与の税金 死亡後に支給期が到来したもの 相続税の課税対象(本来の相続財産) 所得税は課税されない 死亡後3年経過後に支給が確定した場合は一時所得として所得税課税 死亡前に支給期が到来したもの   被相続人の所得税対象(準確定申告) 源泉徴収税が控除され、かつ相続財産にも含まれる可能性    …

17 5月 2025

上場株式の相続税評価方法と注意点

📚 目次 第1章|上場株式の相続税評価方法と注意点 第2章|上場株式の相続税評価額の基本計算式 第3章|株数の確認方法 第4章|1株あたりの株価の決定方法(4つの中から最も低い額を選択) 第5章|評価に関する注意点 第1章|上場株式の相続税評価方法と注意点 相続財産の中に上場株式が含まれている場合、相続税の申告にあたって適切な評価が求められます。上場株式の株価は日々変動するため、相続税法上は、相続開始日だけでなく、一定の期間の株価の中から最も低い価格を選ぶことが認められています。 第2章|上場株式の相続税評価額の基本計算式 評価額 = 1株あたりの株価 × 株数 この「1株あたりの株価」と「株数」を正確に把握することが評価のポイントです。 第3章|株数の確認方法 証券会社の「残高証明書」で確認。 取引証券会社が不明な場合は「証券保管振替機構(ほふり)」で開示請求。 単元未満株(端株)の見落としに注意:配当計算書などで確認し、株主名簿管理人から証明書を取得する必要があります。…

17 5月 2025

【投資信託の相続税評価方法を徹底解説!】種類別の計算方法と注意点

【投資信託の相続税評価方法を徹底解説!】種類別の計算方法と注意点 近年、NISAなどの非課税制度の普及により、一般の方でも「投資信託」への投資が身近になりました。もし投資信託を保有している方に相続が発生した場合、投資信託は相続税の対象となり、適切に評価して申告する必要があります。 この記事では、投資信託の種類ごとに相続税評価方法を解説し、申告時に注意すべき点を整理します。 📚 目次 第1章|投資信託の相続税評価における区分 第2章|種類別の相続税評価方法 第3章|投資信託を相続する手続きと実務上の注意点 第4章|まとめ 第1章|投資信託の相続税評価における区分 日々決算型(MRF・外貨建てMMFなど) 上場投資信託(ETF・J-REITなど) 一般投資信託(上記以外) 第2章|種類別の相続税評価方法 ● 日々決算型投資信託 評価額 = 基準価格×口数+未収分配金-源泉税-信託財産留保額・解約手数料 ※再投資未済の分配金、外貨建てMMFは邦貨換算(TTB)に注意。…

17 5月 2025

未収配当金・配当期待権・未収分配金とは?評価方法

未収配当金・配当期待権・未収分配金とは?評価方法 こんにちは。富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。 相続税の申告において、株式や投資信託自体は財産として把握していても、そこから生じる「配当金」や「分配金」についての見落としについて注意が必要です。これらは「未収配当金」「配当期待権」「未収分配金」として、相続税申告上の財産に含める必要があるため、正確な理解が重要です。 本記事では、それぞれの意味や評価方法、注意点をわかりやすく解説します。 📚 目次 第1章|未収配当金と配当期待権とは? 第2章|評価方法と計算式 第3章|未収分配金とは 第4章|まとめ 第1章|未収配当金と配当期待権とは? 1-1. 未収配当金とは 相続開始日が配当確定日(株主総会等の決議日)から配当金支払日の間にある場合、その配当金は「未収配当金」として相続財産に含まれます。 1-2. 配当期待権とは 相続開始日が配当基準日(決算日)の翌日から配当確定日までの間にある場合、その配当金は「配当期待権」として相続財産に含まれます。 1-3. 違いと基準 配当基準日:配当の権利確定日。…

17 5月 2025

外貨建て財産・債務の邦貨換算とは?相続税申告に必要なポイント

外貨建て財産・債務の邦貨換算とは?相続税申告に必要なポイント こんにちは。富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。 相続が発生した際、財産の中に「外貨建て資産」や「外貨建て債務」が含まれていることがあります。たとえば、米ドル建ての預金、海外ETF、外国不動産、さらには外貨建てローンなどです。 これらの財産や債務は、日本円に換算して相続税申告を行う必要があります。この換算手続きは「邦貨換算(ほうかかんさん)」と呼ばれ、適切に処理しなければ申告漏れや過大納税の原因となりかねません。 本記事では、「邦貨換算」の基本と実務上の注意点を、専門家の視点からわかりやすく解説します。 📚 目次 第1章|邦貨換算とは?〜外貨を日本円に直す手続き 第2章|邦貨換算の基本ルール【一覧表】 第3章|TTBとTTSの違いとは? 第4章|どの金融機関の為替レートを使うか? 第5章|死亡日に相場がないときはどうする? 第1章|邦貨換算とは?〜外貨を日本円に直す手続き 邦貨換算とは、外貨建ての資産・債務を日本円に換算することをいいます。 相続税法では、財産の評価は被相続人が亡くなった日(死亡日)時点の価額で行うこととされており、外貨建ての場合も同様に「死亡日の為替相場」を用いて日本円に換算する必要があります。 第2章|邦貨換算の基本ルール【一覧表】 外貨建て財産・債務の相続税評価に用いる換算レート 種類 換算レート 補足…

15 5月 2025

家庭用財産(家財一式)の相続税評価

家庭用財産(家財一式)の相続税評価 こんにちは。富士市・富士宮市の相続専門税理士、飯野明宏です。相続税申告というと、不動産や預金、有価証券といった“目立つ財産”に目が向きがちですが、ご自宅にある家具や家電などの家財道具=「家庭用財産」も立派な課税対象です。 「使わないから」「価値がなさそうだから」といって申告しなかった場合、税務署から「財産隠し」とみなされるリスクもあります。本記事では、相続税の対象となる家庭用財産の評価方法について、実務ベースで丁寧に解説していきます。 目次 第1章|家庭用財産も相続税の課税対象です 第2章|家庭用財産の評価単位と評価基準 第3章|財産の種類ごとの評価ポイント 第4章|申告書への記載方法 まとめ|家庭用財産も立派な「相続財産」です 第1章|家庭用財産も相続税の課税対象です 相続税の課税対象には、現金・不動産・株式・保険金といった明らかな資産だけでなく、自宅にある生活用品も含まれます。具体的には、以下のようなものが該当します。 家具(ソファ・タンス・机など) 家電(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など) 衣類・装飾品(着物・バッグ・腕時計など) 自動車 貴金属(指輪・ネックレス・金地金) 書画骨董(掛け軸・壺など) 電話加入権 これらはすべて「一般動産」として分類され、原則として評価額に応じて相続税が課されることになります。 第2章|家庭用財産の評価単位と評価基準…