5月 2025

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21 5月 2025

電子帳簿保存法、今、何をするべき?

目次 1.電子帳簿保存法とは?その目的と基本構造 2.3つの保存形態とその適用範囲 3.電子取引データ保存の要件とは? 4.中小企業向けの緩和措置と猶予措置 5.今やるべきこと:まずは取引書類の棚卸し 1 電子帳簿保存法とは?その目的と基本構造 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 電子帳簿保存法は、法人税法や所得税法に基づき保存が義務付けられている帳簿書類を、電子的に保存できるようにすることを認めた法律です。法令に準拠した電子保存を行うことで、税務調査時の確認も電子的に対応でき、業務効率化・ペーパーレス化の推進を目的としています。 なお、「すべての帳簿や書類を電子化しなければならない」という誤解がありますが、電子化が義務化されたのは一部(電子取引データ)に限られます。郵送で受け取った紙の請求書・領収書は、これまで通り紙での保存が可能です。 2 3つの保存形態とその適用範囲 電子帳簿保存法の保存形態は次の3つに分かれます。 1. 電子帳簿等保存(任意) 会計ソフトなどで作成した帳簿や決算関係書類を、データ形式のまま保存する方法。導入は任意で、事前承認は不要です。 2. スキャナ保存(任意) 紙で授受した請求書・領収書などをスキャンし、データで保存する方法です。スキャナ保存を行えば原本の紙は破棄できますが、改ざん防止措置(タイムスタンプや社内規程)などの要件が課されます。…

21 5月 2025

「ふるさと納税」のメリットと仕組み

目次 1.ふるさと納税って、そもそも何? 2.いくらまで寄附できるの?自分の「上限額」を確認しよう 3.寄附金控除を受けるための手続き 4.ここに注意!うっかりミスを防ぐために 5.2025年からの制度変更について 6.まとめ 1 ふるさと納税って、そもそも何? こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 ふるさと納税は、「応援したい」自治体に寄附ができる制度です。たとえば、自分が生まれ育った富士市や富士宮市や、災害支援をしたい自治体など、自由に選んで寄附をすることができます。 この制度を利用して自治体に寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税や翌年の個人住民税から控除を受けることができます。 さらに、多くの自治体では、寄附をしてくれた方へ感謝の気持ちとして、その土地の特産品などの「返礼品」を用意しています。昔は還元率の高い返礼品もありましたが、現在は寄附額の3割程度が上限とされています。 この「税金が控除される」+「返礼品がもらえる」という点が、「実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる」、ふるさと納税はメリットがあるといわれる理由です。 2 いくらまで寄附できるの?自分の「上限額」を確認しよう ふるさと納税で税金が控除される金額には上限があります。自己負担額2,000円を除いた全額が控除されるのは、その人の所得などによって決まる「控除上限額」以内で寄附をした場合です。 この上限額は、給与収入や所得金額、扶養している家族の状況などによって変わってきます。 リンク ふるさとチョイス 控除上限額シミュレーション 3…

21 5月 2025

医療費控除について~具体例と計算方法~

目次 1 医療費控除とは?制度の概要 2 医療費控除の対象となる費用 3 医療費控除額の計算方法 4 申告手続きと必要書類 5 申告期限と注意点 6 セルフメディケーション税制について 1 医療費控除とは?制度の概要 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 医療費控除は、ご自身や生計を一にする家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から控除できる制度です。年末調整では適用されず、確定申告が必要となります。 2 医療費控除の対象となる費用 医療費控除の対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費です。対象となるのは次のような費用です:…

21 5月 2025

「おしどり贈与」とは?メリット・デメリット、注意点まで

目次 1 おしどり贈与とは?制度の概要 2 適用要件 3 メリット 4 デメリット・注意点 5 申告の流れと必要書類 6 まとめ 1 おしどり贈与とは?制度の概要 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 「おしどり贈与」とは、正式には「贈与税の配偶者控除の特例」と呼ばれる制度で、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産またはその購入資金を贈与した場合、最大2,000万円まで贈与税が非課税になるという制度です。 この特例は贈与税の基礎控除(110万円)と併用できるため、最大2,110万円まで贈与税がかからずに配偶者に資産を移転できます。 2 適用要件…

21 5月 2025

【不動産購入】不動産の共有持分とは?決め方を解説

目次 1 不動産の「共有持分」とは? 2 持分の決め方と計算式 3 共有名義のよくあるケース 4 共有名義のメリットとデメリット こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 相続や共同購入などで複数人が不動産を所有する場面は少なくありません。その際に問題となるのが「共有持分」。本記事では、不動産の共有持分について、定義から決め方、売却・放棄時の注意点や税金までを解説します。   1 不動産の「共有持分」とは? 共有持分とは、一つの不動産に対して複数の人が所有権を持つ場合の、各人の所有割合のことです。登記簿には「持分〇分の〇」といった形で記載され、物理的に土地を分けているわけではありません。 共有者は、持分割合にかかわらず、不動産の全体を使用する権利があります。ただし、売却や大規模改修など重要な行為には、共有者全員の合意が必要となるため、共有持分の理解は非常に重要です。 2 持分の決め方と計算式 不動産の共有持分は、原則として購入に要した費用の負担割合に基づいて決めます。 持分割合の計算式:…

21 5月 2025

小規模宅地等の特例とは?土地を最大80%減額できる制度

目次 1 小規模宅地等の特例とは? 2 特例の対象となる4種類の宅地 3 各種類の詳細な要件と注意点 4 宅地が複数ある場合の取扱い 5 手続きと必要書類 6 まとめ 相続が発生し、土地を相続することになった場合、相続税の負担が大きな課題となることがあります。「住む家を失ってしまう」「事業を継続できなくなる」といった事態を防ぐため、「小規模宅地等の特例」という制度が設けられています。この特例を適用することで、相続した宅地等の相続税評価額を大幅に減額できる可能性があります。 今回は、この節税制度である「小規模宅地等の特例」について解説します。 1 小規模宅地等の特例とは? こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 小規模宅地等の特例とは、個人が相続や遺贈によって取得した財産のうち、被相続人や生計を共にしていた被相続人の親族(「被相続人等」といいます)の事業用または居住用に使われていた宅地等(土地または土地の上に存する権利)について、一定の面積まで相続税の課税価格に算入すべき価額から減額できるという制度です。 この制度の目的は、相続人が住み慣れた自宅や、先祖代々引き継いだ事業に利用している土地を、相続税を支払うために売却せざるを得なくなるという事態を防ぐこと、つまり、相続人の生活や事業の基盤を守ることにあります。…