税理士飯野明宏

税理士飯野明宏の執筆したコラム(blog)です。

12 5月 2025

あなたは消費税の納税義務者?

目次 1. 消費税の納税義務はすべての事業者にある? 2. 免税点制度とは? 基準期間で判断されます 3. 課税売上高とは?免税売上も含まれる 4. 特定期間による例外:急成長した事業は要注意! 5. 売上だけでなく「給与支払額」でも判定できる 6. 事業の成長とともに「免税→課税」へ切り替えが発生 まとめ|「納税義務があるか?」を正しく判定しよう 事業者が確認すべき「免税点」と「特定期間」 こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 事業を始めてしばらく経つと、「そろそろ消費税の納税義務があるかも?」と気になるタイミングがやってきます。今回は、消費税の納税義務が発生するかどうかの判定基準である「免税点制度」と「特定期間」について解説します。 1 消費税の納税義務はすべての事業者にある?…

12 5月 2025

消費税のキホン|直接税・間接税って何?

目次 1. 直接税と間接税の違いを知ろう 2. なぜ消費税は「間接税」とされるのか? 3. 消費税の課税対象とは? 4. 課税されない取引もある? まとめ|わからないときは、税理士に相談を こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 事業を始めたばかりの方や、日々の売上・仕入に消費税がかかることは知っていても、「そもそも消費税ってどういう仕組みなの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。 今回は、消費税の基本構造や直接税・間接税の違い、課税対象となる取引について、できるだけやさしく解説していきます。 1 直接税と間接税の違いを知ろう 日本の税金は、その性質に応じて大きく「直接税」と「間接税」に分けられます。 直接税と間接税の違い 区分 説明 具体例…

11 5月 2025

法人税法における固定資産と減価償却の基本

目次 1. 固定資産の定義とその範囲 2. 減価償却資産とは? 3. 取得価額の考え方 4. 償却方法と法人税法上の取扱い 5. 少額資産・使用可能期間1年未満の資産の取り扱い 6. 税務調整における減価償却 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 今回は、法人税を理解するうえで欠かせない「固定資産」と「減価償却」について、基礎から丁寧に解説していきます。企業活動において、資産の取得・管理・償却は、会計と税務の両面で非常に重要な論点です。この記事では、法人税法上の位置づけや、実務に役立つポイントまで網羅的にご紹介します。 1 固定資産の定義とその範囲 法人税法において「固定資産」とは、棚卸資産、有価証券、暗号資産(資金決済法第2条第5項に規定)、繰延資産を除いた資産を指します。特定の目的のために継続的に事業に利用される資産が該当します。 例: ■事業で使用する建物、車両、機械設備など…

11 5月 2025

棚卸資産とは?取得価額・評価方法の基本・計算方法

目次 1 棚卸資産が法人税計算に与える影響 2 法人税法における棚卸資産の定義と範囲 3 棚卸資産の取得価額の構成(法人税施行令32条) 4 実地棚卸の重要性と実務上の注意点 5 棚卸資産の評価方法の選択と税務上の取扱い 6 評価方法選定時の実務上の判断基準 7 税務調査における注意点 こんにちは。税理士の飯野明宏です。 法人税申告において、棚卸資産の適正な評価は利益計算の根幹を成す重要な要素です。 本記事では、法人税法に基づく棚卸資産の定義から評価方法の選択まで、税務実務の観点から解説します。 1 棚卸資産が法人税計算に与える影響…

10 5月 2025

法人税における「損金の額」とは?会計との違い・損金不算入の代表例

目次 1 損金の額とは?法人税法の基本定義 2 企業会計と法人税法の目的の違い 3 損金算入・不算入に関する代表的な税務処理項目 4 税務調整と申告書別表四の活用 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 法人税は、益金から損金を差し引いた所得金額に課税されますが、この「損金」とは、単なる会計上の費用や損失とは限りません。 この記事では、法人税法における損金の定義と計算方法、会計との違い、そして実務で頻出する損金不算入項目について解説します。 法人税の計算において「損金」の理解は重要です。なぜなら、会計上の費用がそのまま税務上の損金になるとは限らず、この違いを正しく把握することで適正な申告と節税対策が可能になるからです。 所得について > 1 損金の額とは?法人税法の基本定義 法人税法第22条第3項では、損金の額を次の3つに分類しています。 ① 売上原価・完成工事原価などの原価の額…

10 5月 2025

法人税における「益金の額」とは?収益との違いと税務調整の仕組み

目次 1 「益金の額」とは?法人税法における基本定義 2 企業会計の「収益」との違いとは? 3 収益の計上時期と法人税法のルール 4 益金不算入の具体例とその趣旨 5 圧縮記帳という税法独自の調整制度 6 税務調整と申告書別表四の役割 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 会計上の「収益」と税法上の「益金」という2つがあります。これらは似て非なるものであり、法人税の計算上は「益金の額」が重要な意味を持ちます。 この記事では、法人税法における「益金の額」の定義と範囲、収益との違い、そして税務調整や別表四の役割について解説します。 法人税の計算において、「益金の額」を正しく理解することは極めて重要です。なぜなら、会計上の利益がそのまま課税所得になるわけではなく、税法独自のルールに基づいた調整が必要だからです。特に中小企業の経営者や経理担当者の方にとって、この違いを把握しておくことで、適切な税務処理と節税対策が可能になります。 1 「益金の額」とは?法人税法における基本定義 法人税法第22条第2項では、課税標準となる所得金額は「益金の額」から「損金の額」を控除して算出するものと規定されています。…