税理士飯野明宏

税理士飯野明宏の執筆したコラム(blog)です。

15 5月 2025

インボイス制度とは?令和5年10月スタートの「適格請求書等保存方式」

目次 1 インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは? 2 仕入税額控除の要件がこう変わった! 3 制度はいつから始まっているの? 4 適格請求書の交付が必要なケース・不要なケース 5 インボイス対応のチェックポイント まとめ インボイス制度は“実務対応”がカギ! こんにちは。富士市・富士宮市の税理士、飯野明宏です。 令和5年10月1日よりスタートした「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」は、消費税の仕入税額控除の実務に大きな影響を与える制度です。 当事務所でも、制度開始時にインボイス制度の基本的な解説をリリースいたしましたが、令和7年4月に国税庁がインボイス制度に関する「Q&A(よくある質問)」を改訂したことを受け、改めて制度の基本概要を整理し直すことにいたしました。 本記事では、最新の国税庁Q&Aの内容も踏まえたインボイス制度の基本解説を、改めて分かりやすくお届けいたします。 1 インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは? 正式名称と導入の背景…

15 5月 2025

家庭用財産(家財一式)の相続税評価

目次 1 家庭用財産も相続税の課税対象です 2 家庭用財産の評価単位と評価基準 3 財産の種類ごとの評価ポイント 4 申告書への記載方法 まとめ 家庭用財産も立派な「相続財産」です こんにちは。富士市・富士宮市の相続専門税理士、飯野明宏です。相続税申告というと、不動産や預金、有価証券といった“目立つ財産”に目が向きがちですが、ご自宅にある家具や家電などの家財道具=「家庭用財産」も立派な課税対象です。 「使わないから」「価値がなさそうだから」といって申告しなかった場合、税務署から「財産隠し」とみなされるリスクもあります。本記事では、相続税の対象となる家庭用財産の評価方法について、実務ベースで丁寧に解説していきます。 1 家庭用財産も相続税の課税対象です 相続税の課税対象には、現金・不動産・株式・保険金といった明らかな資産だけでなく、自宅にある生活用品も含まれます。具体的には、以下のようなものが該当します。 ■家具(ソファ・タンス・机など) ■家電(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など) ■衣類・装飾品(着物・バッグ・腕時計など) ■自動車…

15 5月 2025

中小企業必見!賃上げ促進税制が大きく変わっています

目次 1 賃上げ促進税制とは? 2 中小企業向けの改正ポイント 3 制度適用の注意点と具体的数値 4 中小企業者等の定義 5 適用開始時期と実務への影響 6 まとめ|早めの準備で活用を こんにちは。富士市・富士宮の税理士、飯野明宏です。 今回は、令和6年度(2024年度)税制改正で大きく見直された「賃上げ促進税制」について解説します。この制度は、従業員への給与引き上げや人材投資を行う企業を税制面で支援するもので、特に中小企業向けに注目すべき変更点がいくつかあります。 1 賃上げ促進税制とは? 賃上げ促進税制とは、企業が前年度より従業員の給与を増やした場合に、その増加分の一定割合を法人税や所得税から控除できる制度です。 これまで「中小企業向け」と「大企業向け」の2分類でしたが、今回の改正により「中堅企業向け」が新たに加わり、3パターンに細分化されました。 2…

15 5月 2025

iDeCoが2025年に大きく変わる!掛金上限額引き上げと知っておきたい注意点

目次 1 iDeCoの基本的な仕組みと税制メリット 2 2025年の税制改正ポイント 3 改正によるメリットとデメリット 4 受取時の税負担を軽減する方法 5 まとめ:iDeCo改正をチャンスに変えるには? 1 iDeCoの基本的な仕組みと税制メリット 「iDeCo(イデコ)」は、自分で老後資金を積み立てる私的年金制度です。2025年(令和7年)から制度改正が予定されており、今後の資産形成に大きく関わる内容となっています。 1-1. iDeCoの概要 ■対象者:20歳以上65歳未満の公的年金加入者(改正後は70歳未満まで拡大) ■運用方法:自分で選んだ商品(定期預金・投資信託等)で積み立てを運用 ■受取:原則60歳以降に受け取り可能(一時金・年金形式を選択) 1-2.…

14 5月 2025

中小企業の事業承継をサポートする支援制度と専門家

目次 1 事業承継を支える主なサポート機関と専門家 2 活用できる主な支援制度・ツール 3 株式・資産の承継をスムーズにする対策 4 その他の有効な手段 まとめ 事業承継は「共通課題」。だからこそ支援を活用しよう はじめに|事業承継は一人で抱え込まないことが成功のカギ 事業承継は、単なる社長交代ではなく、経営者としての責任・資産・関係性を次世代へ託す重大なプロジェクトです。後継者の選定や育成、株式や資産の承継、税金や資金調達、親族・取引先との調整など、多岐にわたる課題を一人で抱えている経営者も少なくありません。 しかし、これらを一人で乗り越える必要はありません。国・地域・専門家による事業承継支援制度が整備されており、上手に活用することでスムーズな承継が可能になります。 1 事業承継を支える主なサポート機関と専門家 事業承継の各ステップでは、専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルの支援が不可欠です。 1-1. 士業・専門家 専門家…

14 5月 2025

親族?従業員?M&A?事業承継の3つの類型とそれぞれの特徴

目次 1 親族内承継:家族に引き継ぐ伝統的な形 2 従業員承継:社内の人材に託す 3 社外承継(M&A):第三者に売却・引継ぎ 4 どの承継方法を選ぶか?判断のポイント まとめ 自社に合った承継形態を見極め、早めの準備を はじめに|事業承継の選択肢は一つではない 事業承継というと、かつては「息子に継がせる」という親族内承継が主流でしたが、近年では従業員承継や第三者承継(M&A)といった選択肢も一般化しています。 それぞれにメリット・デメリットがあり、経営者の意向や会社の状況、後継者の有無などにより、最適な類型は異なります。 本記事では、事業承継の3類型の特徴と注意点をわかりやすく解説します。 1 親族内承継:家族に引き継ぐ伝統的な形 特徴 ■現経営者の子・兄弟姉妹・孫などに承継 ■所有と経営の一体化がしやすく、経営理念や価値観の継承にも適している…