相続

相続に関するコラム(blog)です。

17 5月 2025

【特別縁故者】相続人がいない場合の遺産は誰のもの?

目次 1 特別縁故者とは?~相続人がいない場合の救済制度~ 2 特別縁故者が遺産を受け取るまでの5ステップ 3 特別縁故者が負担する相続税とは? 4 相続税の計算方法と具体例 5 まとめ:特別縁故者制度は“特別”だからこそ要注意! こんにちは。富士市・富士宮市の相続・税務専門、飯野明宏税理士事務所です。 相続人がいない場合でも、故人と特別な関係があった方が遺産を受け取れる可能性がある「特別縁故者制度」。しかし、その制度には通常の相続とは異なる数多くの手続きや税務上の注意点があります。 今回は、特別縁故者として遺産を受け取るための条件や手続き、相続税の計算方法や注意点まで、専門家の視点で分かりやすくご紹介します。 1 特別縁故者とは?~相続人がいない場合の救済制度~ 特別縁故者とは、法定相続人がいない場合に、家庭裁判所の審判を経て遺産を受け取る可能性がある人物のことです。 1-1. 特別縁故者の定義と位置づけ 特別縁故者とは、故人と特別な関係性がある個人または法人を指します。具体的には:…

15 5月 2025

家庭用財産(家財一式)の相続税評価

目次 1 家庭用財産も相続税の課税対象です 2 家庭用財産の評価単位と評価基準 3 財産の種類ごとの評価ポイント 4 申告書への記載方法 まとめ 家庭用財産も立派な「相続財産」です こんにちは。富士市・富士宮市の相続専門税理士、飯野明宏です。相続税申告というと、不動産や預金、有価証券といった“目立つ財産”に目が向きがちですが、ご自宅にある家具や家電などの家財道具=「家庭用財産」も立派な課税対象です。 「使わないから」「価値がなさそうだから」といって申告しなかった場合、税務署から「財産隠し」とみなされるリスクもあります。本記事では、相続税の対象となる家庭用財産の評価方法について、実務ベースで丁寧に解説していきます。 1 家庭用財産も相続税の課税対象です 相続税の課税対象には、現金・不動産・株式・保険金といった明らかな資産だけでなく、自宅にある生活用品も含まれます。具体的には、以下のようなものが該当します。 ■家具(ソファ・タンス・机など) ■家電(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など) ■衣類・装飾品(着物・バッグ・腕時計など) ■自動車…

14 5月 2025

中小企業の事業承継をサポートする支援制度と専門家

目次 1 事業承継を支える主なサポート機関と専門家 2 活用できる主な支援制度・ツール 3 株式・資産の承継をスムーズにする対策 4 その他の有効な手段 まとめ 事業承継は「共通課題」。だからこそ支援を活用しよう はじめに|事業承継は一人で抱え込まないことが成功のカギ 事業承継は、単なる社長交代ではなく、経営者としての責任・資産・関係性を次世代へ託す重大なプロジェクトです。後継者の選定や育成、株式や資産の承継、税金や資金調達、親族・取引先との調整など、多岐にわたる課題を一人で抱えている経営者も少なくありません。 しかし、これらを一人で乗り越える必要はありません。国・地域・専門家による事業承継支援制度が整備されており、上手に活用することでスムーズな承継が可能になります。 1 事業承継を支える主なサポート機関と専門家 事業承継の各ステップでは、専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルの支援が不可欠です。 1-1. 士業・専門家 専門家…

14 5月 2025

親族?従業員?M&A?事業承継の3つの類型とそれぞれの特徴

目次 1 親族内承継:家族に引き継ぐ伝統的な形 2 従業員承継:社内の人材に託す 3 社外承継(M&A):第三者に売却・引継ぎ 4 どの承継方法を選ぶか?判断のポイント まとめ 自社に合った承継形態を見極め、早めの準備を はじめに|事業承継の選択肢は一つではない 事業承継というと、かつては「息子に継がせる」という親族内承継が主流でしたが、近年では従業員承継や第三者承継(M&A)といった選択肢も一般化しています。 それぞれにメリット・デメリットがあり、経営者の意向や会社の状況、後継者の有無などにより、最適な類型は異なります。 本記事では、事業承継の3類型の特徴と注意点をわかりやすく解説します。 1 親族内承継:家族に引き継ぐ伝統的な形 特徴 ■現経営者の子・兄弟姉妹・孫などに承継 ■所有と経営の一体化がしやすく、経営理念や価値観の継承にも適している…

14 5月 2025

後継者に安心して引き継ぐために|事業を「磨き上げる」実践ガイド

目次 1 本業の競争力を強化する 2 経営体制の総点検と社内整備 3 財務体質の強化と再生への対応 4「磨き上げ」は専門家と一緒に進める まとめ 後継者に“引き継ぎたくなる”会社に はじめに “見える化”の次は「磨き上げ」 事業承継におけるステップ2で、自社の経営状況や課題が明確になったら、次は「ステップ3」=磨き上げ(経営改善)です。 このステップは、後継者が安心してバトンを受け取るための経営状態の強化を目的とします。強みをさらに伸ばし、弱点を補い、しなやかで持続可能な経営体制を整えることが求められます。 1 本業の競争力を強化する 自社の「強み」を伸ばし、「弱み」を改善する ■人気商品やシェアの高いサービスの強化 ■技術や品質の向上 ■人材の育成・採用による組織力強化 ■取引先や業種の偏りを見直し、リスクを分散…

14 5月 2025

事業承継の第一歩|自社を「見える化」する重要性と方法

目次 1 なぜ「見える化」が事業承継に必要なのか? 2 見える化①:会社の経営状況を可視化する 3 見える化②:事業承継固有の課題を明らかにする まとめ 見える化は事業承継の土台 はじめに 事業承継は「見える化」から始まる 事業承継を成功させるためには、まず何よりも自社の現状を正確に把握すること=見える化が不可欠です。これは「ガイドラインにおけるステップ2」にあたり、承継の基礎となる重要なプロセスです。 自社を見える化する目的は、経営者自身が現状を理解するだけでなく、後継者や関係者に情報を開示し、共通認識を形成することにもあります。情報の開示は正直かつ標準化されている必要があり、信頼のもとで承継が進む土壌を作ります。 1 なぜ「見える化」が事業承継に必要なのか? 事業承継は、多くの「見えにくい問題」を含んでいます。 ■財務や資産の全体像が不明確 ■経営資源の強み・弱みが曖昧 ■後継者候補や関係者との認識のずれ こうした曖昧さを解消し、“共通の土台”の上で承継プロセスを進めることが「見える化」の狙いです。…