目次 1 「益金の額」とは?法人税法における基本定義 2 企業会計の「収益」との違いとは? 3 収益の計上時期と法人税法のルール 4 益金不算入の具体例とその趣旨 5 圧縮記帳という税法独自の調整制度 6 税務調整と申告書別表四の役割 こんにちは。富士市・富士宮の税理士の飯野明宏です。 会計上の「収益」と税法上の「益金」という2つがあります。これらは似て非なるものであり、法人税の計算上は「益金の額」が重要な意味を持ちます。 この記事では、法人税法における「益金の額」の定義と範囲、収益との違い、そして税務調整や別表四の役割について解説します。 法人税の計算において、「益金の額」を正しく理解することは極めて重要です。なぜなら、会計上の利益がそのまま課税所得になるわけではなく、税法独自のルールに基づいた調整が必要だからです。特に中小企業の経営者や経理担当者の方にとって、この違いを把握しておくことで、適切な税務処理と節税対策が可能になります。 1 「益金の額」とは?法人税法における基本定義 法人税法第22条第2項では、課税標準となる所得金額は「益金の額」から「損金の額」を控除して算出するものと規定されています。…